今もその声がファンを魅了する小田和正(写真は2017年)
──どんなお話をされたのですか。
斉藤:私、小田さんの誕生日にセーターを買って、「お誕生日おめでとうございます」とメッセージを添えて事務所のポストに入れたことがあったんです。小田さんに直接届かないかもしれないけど、届いたらいいなと思って。本当に、普通にファンの人と一緒ですよね。対談の時にそのお話をしたら、小田さんはやっぱり知りませんでした(笑)。
でも、それくらい私の青春時代はオフコースとともにありました。『Yes-No』も『愛を止めないで』も『秋の気配』も『生まれ来る子供たちのために』も、全部大好き!
──青春時代が重なっているという点も大きいですね。
斉藤:小田さんが書いた曲ではないのですが、オフコースの『通りすぎた夜』という曲の歌詞に「ピアス」という言葉が出てきます。実は、その曲に影響されてピアスを開けたんです(笑)。
若い頃に聴いていた曲を今聴いても、古くさい感じはまったくしません。飽きがこない歌詞やメロディに奥深さを感じます。もちろん、聴く人によって受け止め方が違うと思いますが、私にとっては、いつ聴いても新鮮で、昔聴いていた曲も「懐かしい」というより、表情を変えて今の私にも寄り添ってくれる。「曲が生きている」という感じがします。
──小田さんにメッセージを送るとしたら、どんな言葉を?
斉藤:心が洗われるような、あの歌声でいつまでも歌い続けてほしいです。今の若い世代にも、歌がうまくて、声がきれいな歌手はたくさんいますけど、小田さんはちょっと違います。小田さんの歌は、あの歌声だからこそ成り立っている楽曲です。
私たちの世代はともに年齢を重ねて、同じように時代を生きてきた共感性みたいなものがありますけど、今の若い人たちにも理解され、受け入れられている曲を作り続けている小田さんは、やっぱりすごいと思います。
いつまであの声が出せるんだろうと思うこともあるけど、小田さんは100歳くらいまで歌っていてほしい! ……もう、小田さんへの愛が止まりません(笑)。
取材・文/小野雅彦
