薬の効果が強まりすぎる「危ない飲み合わせ」一覧【2】

薬の効果が強まりすぎる「危ない飲み合わせ」一覧【2】

認知症・脳梗塞のリスク

 血糖値を下げる「糖尿病治療薬」も、飲み合わせ次第で「血糖値を下げすぎる」恐れがある。

「強い血糖降下作用のあるSU薬(スルホニル尿素薬)は、同じ腎排泄型の痛風治療薬(プロベネシド)や抗凝固薬(ワルファリン)と併用すると、腎臓の分解機能が追いつかずに薬の血中濃度が上がり、SU薬の作用がより強く出てしまうと考えられています」(同前)

 低血糖のリスクは思いのほか大きい。国際未病ケア医学研究センター長で医師の一石英一郎氏が解説する。

「低血糖が重症化すると意識消失や昏睡を起こし、転倒による骨折のほか、認知症や脳梗塞、心筋梗塞のリスクもあるとされます。糖尿病の原因である高血糖と同様に、低血糖にも注意する必要があります」

 そのほか、糖尿病治療薬は胃腸薬や高アンモニア血症治療薬との組み合わせで作用が強まったり、別の副作用が生じる恐れがある。

「ビグアナイド薬と胃腸薬の併用では、薬剤の血中濃度が高まり血糖降下作用が増強される恐れがあります」(長澤氏)

 血糖コントロールのために使われるインスリン製剤は、抗うつ剤やパーキンソン病薬との組み合わせで血糖降下作用が増強されて低血糖症状が生じやすくなる。内科や精神科、脳神経科など異なる診療科をまたいで受診する際は特に注意したい。

 高コレステロール血症の治療に使われる脂質異常症治療薬のスタチン系薬や痛風治療薬の尿酸生成阻害薬は、「血液サラサラ」効果が謳われる抗凝固薬(ワルファリン)との併用で、抗凝血作用が強まることがある。

ウコンで「低血糖」に

 さらに、コロナ禍の影響による健康意識の高まりもあって、「サプリメント」を飲むケースも増えてきた。

 前出・一石氏が言う。

「診察にあたる医師が、服用中のサプリについて詳しく聞くことが少ないうえ、患者さんも『サプリは薬じゃなくて食品だから言わなくていいだろう』と自己申告しないケースが多い。『薬に不満があってサプリを飲んでいる』と医師に思われたくないのかもしれません」

 しかし、サプリにも薬の効果を強める「危ない組み合わせ」がある。

「例えば、健康サプリとしてメジャーなゴマ(セサミン)は降圧剤と飲み合わせることで降圧作用を強め、血圧が下がりすぎる恐れがあります。抗酸化作用のあるビタミンE、関節の痛みを改善する機能が期待されるグルコサミン、コンドロイチン、動脈硬化予防などが期待されるEPAなどは抗凝固薬との併用で出血のリスクが高まり、ちょっとしたことであざができやすくなるなどの恐れがあります」(長澤氏)

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