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山際大志郎経済再生相が辞任 曖昧な答弁で増幅された「心理的リアクタンス」

辞任の意向を表明後、記者団の質問に答える山際大志郎経済再生担当相。10月24日午後、首相官邸(時事通信フォト)

辞任の意向を表明後、記者団の質問に答える山際大志郎前経済再生担当相。10月24日午後、首相官邸(時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、旧統一教会との関係性について「記憶にない」「定かでない」など曖昧な説明を繰り返した末に大臣を辞任した山際大志郎衆議院議員(54才)について。

 * * *
 山際大志郎経済再生担当相が、ついに辞任した。岸田文雄首相が更迭を否定した、わずか数時間後に自ら申し出て辞表を提出した急転直下の辞任は、本人の弁によると国会審議等のことを考え、「このタイミングを逃すわけにはいかないと思って今日にした」というが、どうやら事実上の更迭らしい。岸田首相も更迭を否定しておきながら、実は辞任させると決めていたというのだから、まさに”瀬戸際大臣”だったわけだ。

 旧統一教会との関係に関し、外部から事実を指摘される度に後追いで説明し、”後だしジャンケン”と揶揄された山際氏。答弁するも「記憶にない」「定かでない」「資料がない」などと曖昧な説明を繰り返した。人間は隠されるとそれをますます知りたくなる。ダメだと止められると、それをやりたくなる「心理的リアクタンス」という傾向がある。山際氏の答弁は、この傾向を増幅させるべく火に油を注ぎ続けたようなものだ。

 決定打となったのは、2019年9月に旧統一教会のトップ・韓鶴子総裁と並んで撮られた写真についての答弁だ。19日の国会予算委員会で立憲民主党の後藤祐一衆院議員に「覚えていませんか」と追及され、「定かではありません」と返答。2018年に韓総裁がいる会場で撮られた写真は覚えているのに、「2019年はもっと近くで、隣で撮っているのに覚えていない。どんな脳になっているんですか?」とまで言われたのだ。

 だがこれにひるむことなく山際氏は説明する。「私は政治家として、写真を撮るという行為は、ごく普通に毎日、毎日行われているものだと。何か特別なものではないということは、きちんと申し上げておかなくてはいけないと思います。毎日のように先生だってどこかの人に『一緒に写真撮りませんか』って撮ることいっぱいあるんじゃないですか」

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