『おっさんずラブ』主演の田中圭(写真は2019年)

『おっさんずラブ』主演の田中圭(2019年)

コメディとして制作され始めた

 ここ数年間で、すっかり連続ドラマのテーマとして定番化した作品群を振り返ってみる。

 まずは2016年に単発ドラマ、2018年に連続ドラマ放送となった田中圭さん主演の『おっさんずラブ』(テレビ朝日系列)。春田創一(田中)が、おっさんの上司や、イケメンの同僚から好かれてモテモテに……というあらすじ。それまで映像作品として取り上げられることはあっても、いかにもデリケートに扱われていた雰囲気が否めなかったLGBTがコメディドラマとして取り上げられたのは、おそらくこの作品が初めてだ。田中さんのその後の活躍は周知の通り。

劇場版公開記念イベントに登場した(2019年)

劇場版公開記念イベントに登場した(2019年)

 2018年放送、志尊淳さん主演の『女子的生活』(NHK総合)は、性別は男性なのに外見は女性。そして恋愛対象は女性というトランスジェンダーの小川みき(志尊)の日常が描かれたドラマだ。ドキッとさせられる、印象的なセリフが多かった。

「お手本になる人もいない、年を取っても女子っぽくいられるかどうかもわからない」

 主人公から次々に吐露される、複雑な感情。ああ、そうか。いくら世間の関心が変わってもまだまだ問題は多い。

「コスプレ? おかま? じゃなくて……ニューハーフ? あ、ゲイ?」

 男性の同級生からこんな言葉を浴びせられるシーンもあった。リアリティがあっただけに面白く、「なぜ、たったの4回で放送終了なのか!」というのが、私の結論。志尊さんはその後も順調に作品へ出演を重ねている。みきの同級生役で、あの(!)町田啓太さんが出演されていたのは、何かの縁だろうか。

(2022年)

映画化もされた『チェリまほ』、『女子的生活』に出演(2022年)

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