国際情報

北朝鮮がミサイルを相次いで発射 威力は?射程は?その基本をやさしく解説

相次ぐ北朝鮮のミサイル発射(時事通信フォト)

相次ぐ北朝鮮のミサイル発射(時事通信フォト)

 1月に7回、2月に1回、3月に3回、4月に1回、5月に4回、6月に1回、8月に1回、9月に3回、そして10月に7回。朝も昼も夜も、北朝鮮は時間を問わずミサイル発射に勤しんでいる。では、そのミサイルはどれほどの射程で、どんな威力なのだろうか。意外と知らない、ミサイルが“どうーなってるのか”、やさしく解説します。

 朝鮮がミサイルを発射した──そんなニュースをここ最近どれだけ耳にしたことだろうか。今年に入ってすでに30回以上、北朝鮮はミサイル発射を行った。コリア・レポート編集長の辺真一さんは言う。

「11月2日には日本海に向けて、23発以上の弾道ミサイルを発射しました。たった1日でものすごい数です」

 だが、狂気じみたミサイル乱発に恐怖を覚えつつ、ミサイルはいったいどんなものなのか、わからない人も案外多いのではないだろうか。

 ミサイルはその射程距離によって呼び名が変わるが、北朝鮮が発射したものには5500km以上の射程をもつ大陸間弾道ミサイルも含まれるとみられる(平壌から東京の距離は約1277km)。更に問題なのは、その先端部分にあたる「弾頭」だ。北朝鮮は核爆発を起こす装置を搭載した核弾頭のミサイル発射を試みているとみられる。

「北朝鮮は核弾頭と同等の重さの模擬弾頭を搭載したミサイルの発射実験を繰り返しています。形状も同じくして、火薬や鉄、爆発装置などを詰めていると思われます。中には『火星17』という、弾頭部分が膨らみ、複数発の核爆弾を搭載できる型もあります。今回は飛行に失敗しましたが、もし実現したら一発のミサイルで数発の核爆弾を落とせてしまうんです」

 北朝鮮のミサイルが日本に向けて発射されたら、落下まで15分とかからないという。Jアラートが鳴ってからの避難では間に合わないと、辺さんは懐疑的だ。だが同時に、怯えすぎることはないと話す。

「北朝鮮の狙いは、あくまでアメリカや韓国です。現状では日本を狙って発射することはないでしょう。万が一、米韓と北朝鮮が交戦状態に発展したときが、日本の“構え時”なんです」

 そんな最悪の未来が来ないことを願うばかりだ。

写真/時事通信社

※女性セブン2022年11月24日号

核なのか?爆弾なのか?(時事通信フォト)

核なのか?爆弾なのか?(時事通信フォト)

ミサイルの試射に立ち会い、笑顔を見せる金正恩氏(時事通信フォト)

ミサイルの試射に立ち会い、笑顔を見せる金正恩氏(時事通信フォト)

金正恩氏が総書記を務める朝鮮労働党は、10月10日に創立記念日を迎え、祝賀行事が行われた(時事通信フォト)

金正恩氏が総書記を務める朝鮮労働党は、10月10日に創立記念日を迎え、祝賀行事が行われた(時事通信フォト)

岸田文雄首相はミサイル発射について「断じて容認できない」と発言。日米韓の首脳会議を行う方向で調整している(時事通信フォト)

岸田文雄首相はミサイル発射について「断じて容認できない」と発言。日米韓の首脳会議を行う方向で調整している(時事通信フォト)

国連安全保障理事会は11月4日に、ミサイル発射を受けて緊急会合を開催。非常任理事国10か国は、非難の声明を出した(時事通信フォト)

国連安全保障理事会は11月4日に、ミサイル発射を受けて緊急会合を開催。非常任理事国10か国は、非難の声明を出した(時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
舞台『シッダールタ』での草なぎ。東京・世田谷パブリックシアター(~2025年12月27日)、兵庫県立芸術文化センター(2026年1月10日~1月18日)にて上演(撮影・細野晋司)
《草なぎ剛のタフさとストイックさ》新幹線の車掌に始まり、悟りの境地にたどり着く舞台では立見席も
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
「異物混入」問題のその後は…(時事通信フォト)
《ネズミ混入騒動》「すき家」の現役クルーが打ち明ける新たな“防止策”…冷蔵庫内にも監視カメラを設置に「なんだか疑われているような」
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン