俳優の石田純一(68才)の元妻で、女優の松原千明さんが亡くなった。64才だった。この悲しすぎる訃報について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。
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不倫が公になっても「役者の娘」だから肝が据わっていた
珍しく外でランチをしていた11月16日の午後1時過ぎ。お店の若い男性スタッフがスマホを片手に飛んできて、「ヤフトピに、女優の松原千明さんが亡くなったって、あがってるんですけど……」と教えてくれました。ニュースサイト「NEWSポストセブン」の記事でした。
20代の彼は松原さんの顔がすぐに浮かばなかったようでしたが、40代後半のシェフと私は同時に「嘘!」と声を上げてしまいました。「そんなはずはない」と思いました。
松原さんにとって最愛の娘さん・すみれサン(32才)が昨年11月に結婚。今年4月に男児を出産したことで“美しすぎるグランマ”になったばかりの松原さんは、幸せの絶頂にいらっしゃると信じていたからです。でも、コロナのせいで、お孫さんを抱くことが叶わなかったのですね。人と人とを分断するだけでなく、悲しみの底へと突き落とすコロナをまたしても深く憎み、恨まざるを得なくなる、悲しすぎる訃報でした。
翌17日発売の『女性セブン』で詳細を知り、同日、『めざまし8』(フジテレビ系)がトップで報じているのを拝見しました。
VTRの中には、石田純一サンの不倫が公になり、リポーターや記者らに囲まれた際に松原さんが笑顔で放った名言「役者の女房ですから」も出てきました。自身が時代劇俳優の原健策さんと、宝塚歌劇団卒業生の乙女松子さんの間に生まれた「役者の娘」だったからなのでしょう。肝が据わっていたわけです。
その騒動より前、夫婦でイベントにいらしていた際の映像も出てきましたし、もっと古くは、結婚会見や、イタリア・フィレンツェでのふたりだけの結婚式について。また、すみれサンが誕生した際、石田サンが「フェラーリ」とか「ゴルフ」というワードを織り交ぜながら“お楽しみ”を語っていたことを松原さんが代弁し、「わけがわからない」と苦笑される微笑ましいVTRも出てきました。
それらの端々に、7年間の交際を経て、松原さんが強く願ってのゴールインであり、希代のモテ男を夫にしたことを熟知している松原さんの“覚悟”のようなものが見え隠れしていました。
でも、もっとも驚いたのは、松原さんの逝去が公になった日、石田サンが『Dream Energy〜パネルディスカッション&ミュージックライブ〜』なるイベントにゲスト出演していたことです。