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【古谷一行さんへ最後の手紙】木の実ナナ「お尻丸出しで大はしゃぎしてる姿が大好きでした」

木の実ナナが古谷一行さんへ最後の手紙(写真/共同通信社)

木の実ナナが古谷一行さんへ最後の手紙(写真/共同通信社)

 激動の2022年が幕を閉じようとしている。思い返せば今年は政財界や芸能界で多くの著名人がこの世を去った。愛して止まないあなたへ。木の実ナナ(女優)が古谷一行さん(8月23日没、享年78)へ“最後の手紙”をしたためた。

 * * *
 逢えない日々が続くなかでの突然の知らせに、胸が押しつぶされました。ここ数年で多くの親しい人たちが次々と逝ってしまうなか、この追い打ちで、悲しみが私の日常を覆っています。淋しいよ、一行さん。でも悲しんでばかりいては天国から叱られちゃうね。

 一行さんとの出会いは1978年からだから、ほぼ半世紀のお付き合いでしたね。土曜ワイド劇場『ピンクハンター』(テレビ朝日系)というドラマを、『古畑任三郎』(フジテレビ系)のプロデューサーの関口静夫さんが企画され、金田龍之介さん、常田富士男さん、一行さんと私の4人がレギュラーで始まり、3作目からは『混浴露天風呂連続殺人』とタイトルを変更して、毎年、日本中の露天風呂で事件を解決してきました。『ピンクハンター』から数えて28作品、ほんとに愛らしく仲良しなレギュラーの人たちとの楽しい日々でしたね。

 一行さんは歌が大好きで、移動の車の中ではいつもふたりで「しりとり歌合戦」。吉田拓郎さんばりの調子でフォークから演歌までたくさん歌ったね。足場の悪いロケ現場では、視力の弱い私をケアしてくれたり、いつも優しく気を遣ってくれてありがとう。二枚目なのにお尻丸出しで大はしゃぎしてるお茶目で可愛い一行さんが大好きでした。

 その作品と並行して『オレゴンから愛』(フジテレビ系)の撮影がありました。

『オレゴンから愛』での一行さんは髭を蓄えての役柄でした。四季それぞれの季節にロケがあり、その間に『混浴露天風呂連続殺人』の撮影が入ってくるので、『混浴露天風呂連続殺人』のある1作品は一行さんは髭を剃れずに逞しく、私は顔が陽焼けして真っ黒で、オレゴンから派遣された刑事みたいになっちゃいましたね。

 娯楽が何にもないオレゴンの宿泊地で、空いた時間はテニス、夜は麻雀を楽しんでた一行さん。麻雀中に「ナナちゃん、ラーメン!」で、ラーメン作りは私の役割。いつも面倒をかけっぱなしの私でしたが、時々は役に立てたと思うんです。

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