上裸の2年生部員の手には金属バット。お尻に照準を定めていながら口元には笑みを浮かべている。建物は野球部寮
この暴行事件はその後、学校を巻き込んだ大きな騒動になる。同校に子供を通わす保護者はこう語る。
「部員の保護者が監督や学校に問い合わせても埒があかなかったようで、病院に行き、診断書をもらい、警察に被害届を提出しました。被害届は受理され捜査も行なわれています」
被害届が受理されたことで、暴行事件は野球部の保護者を中心に話が広まる。保護者たちからは監督や学校に説明を求める声が上がり、9月下旬に保護者会が開かれることになった。前出・野球部関係者が語る。
「この保護者会の直前、金属バットで殴った部員が自主退学しています。保護者会では『事件は高野連には報告している』と説明はありましたが、『加害者部員が自主退学したのでこれ以上の調査や公表、処罰は考えていない』という主旨でした」
高校野球の部員による不祥事には厳しい判断が下されてきた。最近では今年8月、春夏11回甲子園に出場している酒田南高で複数の野球部員が寮で喫煙していたことが分かり、秋の山形県大会を辞退した。11月15日には今夏甲子園に出場した埼玉・聖望学園で複数の野球部員が寮で飲酒と喫煙をしていたことが発覚。日本学生野球協会から1か月の対外試合禁止が下されている。一部の部員が起こしたこととはいえチーム全体で責任を取るのが通例だ。
大分国際情報高に話を聞いた。寮内での野球部員の生活の乱れ、金属バットによる暴行事件の事実確認と学校としての対応、ならびに教育機関としての見解を聞いたが、「本校では、日頃より事実の有無に関わらず、生徒個人のプライバシーや人権、個人情報保護の観点を最大限に配慮した教育活動を行っております。よって、この度のご質問には、ご対応いたしかねますのでご了承ください。なお、本校野球部で起こった案件につきましては、高野連へ報告をしております。また、高野連の指示に従い活動しています」との回答だった。
大分県高野連にも学校側から報告があったのかと聞いたが、「個別の案件については個人のプライバシーもありますので対応していません」とのことだった。
大分国際情報高は公式サイトで〈あなたの想いに「情熱」をもって向き合います〉と掲げている。はたして教育機関としてこの事態に向き合えているのだろうか。
