2015年の民主党代表選で細野豪志議員(写真中央)は1回目の投票でトップ得票となるものの、決選投票で岡田議員(右)に敗北。それでも、党の顔として高い期待が寄せられていた(撮影:小川裕夫)

2015年の民主党代表選で細野豪志議員(写真中央)は1回目の投票でトップ得票となるものの、決選投票で岡田議員(右)に敗北。それでも、党の顔として高い期待が寄せられていた(撮影:小川裕夫)

野党から与党・自民党へ移動する議員たち

 今井さんのように、野党から自民党へと傾斜する政治家は決して少なくない。例えば、2022年の参院選に宮城選挙区から出馬した桜井充候補は、1998年に民主党候補として当選。以来、着実に当選を重ねた。

 5選を目指した2022年の参院選では、自民党の公認候補として立候補。この事態に、これまで桜井議員に票を投じてきた支持者が混乱したことは言うまでもない。そして、桜井候補と戦ってきた自民党支持者も困惑したことだろう。

 細野豪志議員も、野党から自民党へと移った一人だ。2000年の衆院選に民主党から立候補して初当選。その後は選挙区で勝ち続けて現在は当選8回を数える。その間、2010年に発足した菅直人内閣では内閣府特命担当大臣として初入閣している。

 細野議員は菅直人内閣で原発事故再発防止担当大臣だったため、東京電力本社で実施されていた記者会見にも姿を見せていた。筆者は、記者会見で細野議員が怒りを露わにしている姿を何度も目撃したことがある。大臣といえども人間だから、感情を表に出して怒ることはあるだろう。しかし、何度も目撃したことで大臣としての資質に疑問を覚えた。

 その後の民主党の迷走は説明不要だろう。その間、細野議員は一貫して野党を貫き、離党して無所属だった2021年衆院選も自民党候補を相手に圧勝し、自民党へ入党した。細野議員が選挙に強い理由は、新人だった頃なら若くて見た目がいいで説明がついた。しかし、フリーアナウンサーとの路上キスをスクープされた後も無類の強さを発揮している。ここまで選挙に強いのは、地元の有権者から信頼を得ているからだろう。

 それでも選挙は水モノだ。王国を築いていた議員が、情勢の変化で落選することは珍しくない。永田町には「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」という格言があり、落選すれば権力を維持できない。権力のないところに人は集まらないから、政治家たちは死に物狂いで選挙を戦う。

 そして、現在は選挙に勝っていても、いつかは落選するかもしれないという不安からは逃れられない。そうした不安から、支持基盤の堅い自民党に頼ろうとする心意はわからなくもないが、支援者は不満を爆発させる。その理由は、「選挙に勝つためなら、自民党に魂を売るのか?」という一点につきる。

政界渡り鳥と呼ばれた小池百合子都知事

 細野議員が連携していた小池百合子都知事も、多くの政党に属してきた。政治に長らく携わっている記者たちでも、小池議員の身の振り方を激しく感じる。小池議員にとっては理屈に適っているのだろうが、他人からは節操がないとしか見えない。そうした変わり身が、政界渡り鳥などとも揶揄される所以だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン