国内

岸田氏の広島、安倍氏の山口も議席減 杉村太蔵氏が指摘「有力政治家の県は衰退する」

杉村太蔵氏が指摘した「有力政治家の県は衰退する」の真意とは

杉村太蔵氏が指摘した「有力政治家の県は衰退する」の真意とは

 改正公職選挙法によって次期衆院選は小選挙区が「10増10減」となる。そこで「議席が減らされる県は、非常に有力な政治家が多い」と斬り込んだのは元衆院議員でタレントの杉村太蔵氏だった。改めて真意を語る。

「これは私が議員になってから顕著な傾向があり、不思議な現象だと思っていたことです。

 総理や大臣経験者を輩出した自治体はさぞかし発展するだろうと思うのですが、残念ながら有力な政治家がいる自治体のほうがどんどん衰退している。衰退の定義は人口減少が激しい地域ということ。さらに若者の人口流出が激しいことです。ひとり一票の原則に照らすと、今回の改正公職選挙法の成立でそうした地域の議席を減らさなければならなくなります」(杉村氏、以下同)

 たとえば次期衆院選で削減対象となる山口県は、全国最多の8人の総理を輩出し、故・安倍晋三元首相の地元で、実弟で長男の信千世氏を後継としている岸信夫・前防衛相や林芳正外相も擁する。

 同様に岸田文雄首相の地元である広島県や、かつて田中角栄元首相らが築いた「保守王国」の新潟も小選挙区減となる。

「そうした地域の有力政治家は100%、例外なく選挙ではその地域の発展を約束します。それを信じた有権者が票を入れて、開票即時に当選する。だけども、ずっとその地域は衰退して人口が流出する。それなのに、有力政治家が選挙で何回も連続で圧勝するんです」

 その背景を杉村氏はこう考察した。

「仮説ですが、有力政治家がたいした論争もなく選ばれる。一部の人間だけで様々なことが決まっていく。若い人たちが自分たちの街づくりや政治参加することにものすごく大きなハードルがあるのではないでしょうか。保守盤石の地域というのは新規参入を好まない。だからその地域はどんどん保守化し、政治が硬直化する。結局、残るのは高齢者だけで、保守化、硬直化してよく考えずに有力政治家に票を入れてしまう。若者は地域に対する意欲がなくなり、結果的に衰退していくのではないかと思います。

 有力政治家を抱える都道府県が衰退したことで議席減となり、皮肉なことに有力政治家たちの首が危うくなったのです」

あわせて読みたい

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン