岸田首相は最近は「子育て」でも話題に…(写真/JMPA)
同年11月には、当時の沖縄防衛局長が飲食店での記者懇談で、米軍普天間飛行場の辺野古移設に関して「犯す前に、犯しますよと言いますか」と発言したことを、翌日に琉球新報が報じた。オフレコ発言だが、事前に沖縄防衛局に通告した上で、報道に踏み切ったという。その後、全国紙が裏付け取材などをして同日夕刊で報じた。
前出の元政治部デスクが語る。
「今回の秘書官の発言を報じた毎日新聞といえば、『桜を見る会』をめぐり安倍晋三元首相が追及を受けていた2019年11月と12月に飲食店で行なわれた安倍首相と内閣記者会(首相官邸記者クラブ)の記者との懇談会に、朝日新聞、読売新聞、共同通信など大半の社が出席するなかで欠席したことが話題になりました。その理由については紙面(2020年1月4日付)で〈懇談会は完全オフレコが条件です。懇談会での説明で少しでもメディアの追及が弱まればとの狙いがあったと思いますが、我々は説明を求めている立場なので出席することはできないと判断しました〉と当時の政治部長が語っていました。毎日新聞は、オフレコを理由に言論を封じるようなことに否定的な姿勢です。
どんなに公共性、公益性にかなう、報じるに値するような問題発言があったとしても、“オフレコ破り”はそれまで記者たちが築いた信頼関係を壊す可能性が高く、今後の取材にも影響するため、社内でも強い反発が出てきます。それでも行けという局の了承がないとなかなかできません。オフレコでも報じるべきか否か、今後もこの議論は続くでしょう」