事を起こして恥を晒した少年は、謝ろうが退学しようが、もう顔も名前も世間に知れて、誰から糾弾されようが擁護されようが、そんなことは仕方ないしどうにもならない。
この恥辱に少年たちは、耐えられるのだろうか。 賠償金の支払いがついて回ると、今までの生活も変えられてしまうことは必至だ。
少年はしっかりと己を顧みて 生きないと、すぐ傍で、闇の世界はいつでも口を開け、腕まくりをして待っている。そんな場所に引きずり込まれないように、これから、家族や仲間たちは少年の寄る辺となって、コトを教え、モノを与え、本当の隣人となって共に生きる心構えが問われている。
先ず、親がしっかりして、行儀どころか事物の根元原理から教えてやらないと、子どもは路頭に迷って餓鬼と化していくだけだ。つまり、親たち自身も社会勉強しなおすことだ。
「親ガチャ」なんて舐めたことを、スマホゲームにうつつを抜かす餓鬼から平気で言われること自体、このデタラメ政治がはびこる格差社会で一番、大問題なのだが。
◆文責・井筒和幸
1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校時中から映画製作を始める。1975年にピンク映画で監督デビューし、『岸和田少年愚連隊』(1996年)と『パッチギ!』(2004年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。その後も 『黄金を抱いて翔べ』(2012年)、『無頼』(2020年)など、さまざまな社会派エンターテインメント作品を作り続けている。コラムニスト、鳥越アズーリFMでも日曜13時からの放談番組に出演中。