一審では利恵受刑者の証言が事実と認められているが、2月に開かれた控訴審初公判で赤堀被告は「(利恵受刑者の証言は)信用性に問題がある」などとして再び無罪を主張。そのうえ「荒唐無稽な虚言を信じる根拠がない」と、赤堀被告の嘘を信じた利恵受刑者だけが悪いかのような主張を繰り広げていたが、判決でこれらは認められなかった。
「幼いながらに被告人の強い影響を悟った被害者は、亡くなる数日前に、利恵受刑者に『被告人を呼んでほしい』と言い『病院に行けるなら行きたい』と頼んでいた。被害者の辛く悲しい気持ちは計り知れない」(判決より)
赤堀被告は表情をまったく変えることなく判決を聞き、閉廷後、後ろに座る弁護人と小声で会話をして、ドアの向こうに消えた。
◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)