参院予算委員会で立憲民主党の小西洋之氏の質問に答弁する高市早苗経済安全保障担当相。3月8日午後、国会内(時事通信フォト)

参院予算委員会で立憲民主党の小西洋之氏の質問に答弁する高市早苗経済安全保障担当相。3月8日午後、国会内(時事通信フォト)

「勉強になる」といえば、このところの高市早苗大臣の「捏造」発言は、政治家としての「基本」を見せつけてくれているという点で、大いに勉強になります。問題となっているのは、立憲民主党の小西洋之議員が明らかにした総務省の行政文書。A4で78ページというボリュームで、そこには安倍政権が総務省に圧力をかけたことが記されています。

 高市大臣は国会でこのことについて質問され、当時自分が大臣をしていた省庁の行政文書を「捏造」と決めつけ、つまり自分のかつての部下をウソつき呼ばわりしました。もし会社のトップが同じことをしたら、社員はさぞガッカリするでしょう。さらに、小西議員が「本物なら議員辞職するのか」と詰め寄ると、「けっこうですよ」と答えます。

 事の真相やこの話がどこからどういう思惑で出てきたのかはわかりません。ただ、未来の首相候補のひとりとも言われている高市早苗大臣の強気な答弁からは、出世していく政治家に必要な「5つの基本」を学ぶことができます。

●自分に都合が悪そうな情報は、強い口調で否定して身に覚えがないと言い張る
●本来は自分の側が真偽を証明する必要があっても、まずは相手に証明を求める
●「辞任」を口にすることで、関係各所に辻褄合わせのプレッシャーをかける
●行政文書に改ざんがあるのは普通で、自分も好きに改ざんできると思い込む
●ちょっとぐらい追及されても、そのうち逃げ切れるという前提でやり過ごす

 あれ? なんかデジャブが……。高市大臣の師匠とも言える安倍元総理が、かつてモリカケ問題で激しく追及されたときも、この5つの基本を守ってらっしゃいました。

 どの項目も、かなり強靭なメンタルがないと実行できそうにありません。私たちの仕事や生活にはとうてい応用できそうにないし、ヘタに応用したら大やけどを負うでしょう。さすが、政治家のみなさんは肝が据わってらっしゃいます。今後、この問題がどこまで広がって、高市大臣はどう逃げ切ろうとするのか。しっかり注目しましょう。

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