部屋を出ると幹部が待っており、鄭の行為は健康チェックであり、「口外しないように」と釘を刺されたという。
翌年、再び来日した鄭に呼び出されたAさんは、またも鄭の専用部屋に招かれた。この時も鄭は「ダイジョーブ」と言って下着を脱がし、胸や尻を愛撫してきた。その後、さらなる悪夢が待っていた。おもむろに鄭がズボンを脱ぐと、いきなりAさんのなかに挿入。そのまま中で果てたという。
この半年後には鄭が複数の日本人女性信者を部屋に呼び、セックスを繰り返していたとAさんは証言した。2007年には摂理の元女性幹部Bさんを取材。彼女の口からも、日本人女性信者への性暴力の実態が明かされた。
Bさんによると、中国に逃亡していた鄭に会うため、日本人女性信者10人が現地に渡った。鄭の潜伏先は地下にプールがあり、一緒に入ることを求められたという。「温泉のようなものだから」と水着の着用は許されず、しかし水泳キャップだけは被るよう指示された女性たち。プール脇には小部屋があり、参加者はみな室内で鄭に性行為を強要されたのだという。
鄭の日本人好きは教団内でも有名で、幹部のなかには日本人女性だけを斡旋する専門係までいたと李氏は話す。
「言葉が通じないこともあって、韓国人女性に比べて従順だというのが理由でした。日本人女性の被害者も数百人に上ると言われています」
(後編につづく)
※週刊ポスト2023年3月31日号