国内

宮内庁に「広報室」新設で皇室の情報発信に本腰 初代室長に抜擢された女性キャリア官僚の横顔

外務省時代にはエリート街道を歩まれていた(2022年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)

外務省時代にはエリート街道を歩まれていた(2022年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)

 令和皇室が新たな歩を進めた。天皇ご一家の御料牧場(栃木県塩谷郡)でのご静養(4月5~10日)は約3年半ぶりとなる。

「満を持して、令和皇室のご活動が本格的に始まったと感じました。5月には令和初となる園遊会も赤坂御用地(東京・元赤坂)で開催予定ですし、ご静養を皮切りに、皇室全体のご活動と国民と接する機会が増えることを願ってやみません」(宮内庁関係者)

 宮内庁内にも変化があった。4月1日付で、総務課に「広報室」という部署が新設されたのだ。民間からも採用を行い、最終的に10人体制となる予定のこの部署は、これまで課題とされてきた「皇室側からの情報発信」にも取り組むという。以前から積極的な情報発信について言及されてきたのが、秋篠宮さまだ。

「2021年の誕生日会見で、事実と異なる報道に対する反論の基準作りを考える必要があると主張されました。このご発言を受けてか、宮内庁は、ホームページの刷新やSNSの活用を模索してきた。2021年に長女・眞子さんが、結婚にあたり、国民の“誤った情報”による“強い恐怖心”を訴えたため、重要性を感じられたのかもしれません」(前出・宮内庁関係者)

 今年に入ると、天皇陛下も誕生日会見で情報発信について、「適切なタイミングで国民のみなさんにわかりやすくお知らせしていくことも大事なことであると考えます」と言及された。

「秋篠宮さまは“国民の誤りを正す”ことを重視される一方で、陛下は“情報を正しく伝える”ことを重視されています。おふたりのお考えは似て非なるものです。いずれにせよ、宮内庁にとって情報発信が長年の課題だったことは間違いない。広報室長の手腕が問われます」(前出・宮内庁関係者)

 初代広報室長に就任したのは、キャリア官僚として警察庁で活躍してきた藤原麻衣子氏(44才)だ。

「藤原氏は京都大学を卒業後、2002年に警察庁に入庁。警備畑で暴力団対策やスパイ対策にあたり、昨年は、新設された経済安全保障室の初代室長を務めていました。情報分野に精通している人物です」(警察関係者)

 彼女の歴任した組織犯罪対策総務課長や外事情報部調査官といったキャリアは、元警視総監の西村泰彦宮内庁長官に連なるという。

「藤原氏は“警察庁初の女性長官”との呼び声が高いほど優秀な方だそうで、今回の抜擢は、西村長官の肝いりだと聞いています。宮内庁には、ほかの省庁からの出向者が大勢いますが、女性キャリアが幹部として出向するのは初めてではないでしょうか。それだけ期待されているということでしょう」(前出・宮内庁関係者)

関連記事

トピックス

代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
大臣としての資質が問われる(写真/共同通信社)
三原じゅん子・こども政策担当相が暴力団とゴルフ写真の“反社疑惑”にダンマリの理由「官邸は三原氏のことなど構っていられない」
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン