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広岡達朗氏が指摘する巨人の課題「若手が育たないのは先輩選手の指導が悪いから」

球団史上初となる開幕投手に新外国人を起用した巨人(写真/共同通信社)

球団史上初となる開幕投手に新外国人を起用した巨人(写真/共同通信社)

 開幕早々、好スタートを切った「阪神」。5大スポーツ紙の開幕前の順位予想でも77人の評論家のうち、42人が阪神の優勝を予想。一方で“機関紙”のスポーツ報知でも10人の評論家のうち、5人が阪神優勝を予想している。

 球界を代表する人気球団、巨人と阪神でどうして評価が二分されるのか。元巨人エースの城之内邦雄氏はじめ多くのOBや記者が指摘したのが「投手力の差」だ。

 巨人は菅野智之(33)が右肘の張りで戦線離脱し、タイラー・ビーディ(29)が球団史上初となる新外国人の開幕投手に抜擢された。この起用法には、かつての番記者たちから驚きの声が上がったという。スポーツ紙デスクが語る。

「新外国人が開幕投手を務めるなんて、昔の巨人では考えられなかった。それだけ先発陣の層が薄いのでしょう。メジャーで中継ぎ投手だったビーディに先発ローテーションを1年間任せられるとは考えにくく、衰えの目立つ菅野も2ケタ勝利は難しいのではないか。先発のコマ不足はセ・リーグのなかで最も深刻だと思います」

 阪神OBの田尾安志氏も両球団の投手陣を比較してこう語る。

「巨人のローテーションが成り立つかは、右のビーディと左腕のフォスター・グリフィン(27)の出来次第ですが、ともに新外国人だけに先行きが見通せない。さらに阪神は計算が立つ中継ぎが10人近くいますが、巨人は抑えの大勢(23)までつなぐピッチャーが明らかに足りません。継投を考えると、長いペナントレースを勝ち抜くのは厳しいのではないか」

 選手の年齢層の違いも指摘されている。巨人は坂本勇人(34)、丸佳浩(33)らスタメンに30代以上の選手がズラリと並ぶが、阪神は佐藤輝明(24)やルーキーの森下翔太(22)ら20代前半の伸び盛りの若手を起用し、躍動している。巨人OBでご意見番として知られる広岡達朗氏は手厳しい。

「巨人で若い選手が台頭しないのは、先輩選手の指導が悪いからです。本来は、ベテランが率先して練習に励み、“巨人軍の選手はこうあるべきだ”と背中を見せることで若手が伸びてきます。ところが、経験も実績もある菅野や坂本が調整不足で出遅れていては、若手が育つはずがない。中田(翔、33)や長野久義(38)、松田宣浩(39)ら、他球団をクビになる人材が若手に良い影響を与えるとも思えません」

※週刊ポスト2023年4月21日号

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