食物繊維で“デブ菌”を追い出す!
脂質の多い食事は日和見菌を“デブ菌”に変え、悪玉菌を増やしてしまう。つまり、デブ菌を減らす近道は、食生活を見直すことだ。日本栄養コンシェルジュ協会代表理事で管理栄養士の岩崎真宏さんが言う。
「加工食品のほか、脂質の多い肉や乳製品は、悪玉菌を増やすもとになるので、摂りすぎないようにしてください。清涼飲料水などに含まれる果糖ブドウ液糖やコーンシロップも腸内環境を悪化させるため、避けた方がいい」
川本さんは「脂っこいものを食べすぎないことがいちばん」と話す。
「脂質だけでなく、糖質の摂りすぎにも注意。摂りすぎた糖質は脂肪に変わって、デブ菌のえさになります。甘いものも控えましょう」(川本さん)
ただし、過度の糖質制限は逆効果。ヤセ菌のえさになる食物繊維は、糖質に含まれる。
食物繊維がなければ短鎖脂肪酸がつくられず、腸内環境が悪化して便秘がちになる。その結果、デブ菌が体の外に排出されず、腸内で増殖していくのだ。
「食物繊維の不足は、便秘だけでなく、糖尿病や高血圧、脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病を招くほか、潰瘍性大腸炎やクローン病などの腸の炎症性疾患や精神疾患などのリスクも指摘されています」(岩崎さん)
ただし、やみくもに食べても意味がない。食物繊維には、腸で水分を吸収して便のかさを増す「不溶性食物繊維」と、糖質の吸収をゆるやかにして腸内環境を整える「水溶性食物繊維」の2種類があり、どちらか一方だけを摂っていても、腸内環境は改善しない。
理想は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2:1の割合で摂ることだ。