ライフ

腸内細菌を正常化するための腸活 「食物繊維は1日20g」「睡眠時間は7時間」「過度の糖質制限は逆効果」

(写真/PIXTA)

やせるカギは腸活にあり(写真/PIXTA)

 約1000種類、100兆個──これは、ヒトの大腸に棲みついている腸内細菌の数だ。とりどりの菌が無数に共生している様子を花畑になぞらえて「腸内フローラ」とも呼ばれる。

 だが、その“花畑”の中には、私たちを太らせる“デブ菌”がひそんでいることを、ご存じだろうか。これまで9000人以上の腸内環境を調べてきた医薬基盤・健康・栄養研究所ヘルス・メディカル微生物研究センター長の國澤純さんが語る。

「ヒトの腸内細菌の種類は大きく分けて『ファーミキューテス門』『バクテロイデス門』『プロテオバクテリア門』『アクチノバクテリア門』の4つに分類されます。『門』とは、界・門・綱・目・科・属・種という7つの生物学的な分類の中で、2番目に大きな分類のことです」

 例えばヒトは動物「界」の脊索動物「門」、哺乳「綱」、霊長「目」、ヒト「科」、ヒト「属」、サピエンス「種」。これだけでも「門」がいかに大きなくくりかわかるだろう。

 このうち特にファーミキューテス門には“デブ菌”が多く、バクテロイデス門には“ヤセ菌”が多いことが明らかになってきた。

「日和見菌」こそがダイエットのカギ

 簡単に言えば、“デブ菌”は「悪玉菌」のことで、“ヤセ菌”は「善玉菌」だ。そして、その時々で悪玉にも善玉にも変わる菌を「日和見菌」という。犀星の杜クリニック六本木院長で消化器専門医の川本徹さんが解説する。

「腸内フローラを構成する細菌は、大きくこの3つに分けられます。日和見菌は、そのときの腸内環境によってヤセ菌になることもあれば、デブ菌にもなります。最近では、日和見菌の中でも善玉菌になりやすい菌や、悪玉菌になりやすい菌など、いろいろなタイプがあることがわかってきています」

 例えば、ファーミキューテス門に属する日和見菌は、食生活次第で、デブ菌として働くことがある。

「ファーミキューテス門の菌は欧米人の腸に多く、本来は体に悪さをする菌ではありませんが、これらは主に脂質を“えさ”にして増殖するうえ、それを分解する際に生成される代謝産物は高カロリーで、肥満の原因になる。つまり、脂質の多い食事を摂るほど、デブ菌は増え、活性化するのです」(川本さん)

 一方、ヤセ菌は、主に食物繊維をえさにして、ダイエットに役立つ短鎖脂肪酸と呼ばれる物質をつくり出す。

「短鎖脂肪酸とは、酢酸や酪酸、プロピオン酸といった有機酸のこと。これらには腸の働きを活発にして代謝を促進したり、脂肪の蓄積を抑えたりする働きがあるのです。短鎖脂肪酸をつくるヤセ菌は、酪酸をつくる『クロストリジウム・ブチリカム』や、たんぱく質や炭水化物を分解する酵素を持つ『枯草菌』、そして整腸作用で知られる『ビフィズス菌』などが代表的です」(國澤さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
自民・公明・立民が成立させた年金改革法案に重大問題 「厚生年金の減額期間」をこっそり延長、法案採決に欠席した河野太郎氏は「国民の年金への信用を失う」と憤慨
自民・公明・立民が成立させた年金改革法案に重大問題 「厚生年金の減額期間」をこっそり延長、法案採決に欠席した河野太郎氏は「国民の年金への信用を失う」と憤慨
マネーポストWEB