国内

「外交経験ほぼゼロ」の岸田裕子夫人が単独渡米 岸田首相が見せた“安倍昭恵氏への対抗心”

“単独訪米”した裕子夫人(写真/AFP=時事)

“単独訪米”した裕子夫人(写真/AFP=時事)

 現役総理が襲撃されるという事件の裏で何が起きていたのか。昨年起きた安倍晋三・元首相の暗殺事件を彷彿とさせる凶行に誰もが危機感を募らせるなか、最も変わらなかったのが岸田文雄・首相その人だった。もっとも間近で見ている記者たちは、岸田首相の「鈍感力」に気づいたという。本誌・週刊ポストは覆面座談会を緊急開催。メンバーは政治部キャップクラスのベテラン記者A氏とB氏、第一線で取材する若手のC氏とD氏だ。【全3回の第2回。第1回から読む

 * * *
司会(編集部):襲撃事件の翌日、ファーストレディの岸田裕子夫人が米国訪問に出発した。ジル・バイデン大統領夫人の招待とはいえ、首相夫人が“サミットの根回し”に訪米するなど前代未聞だ。

記者D:出発前に「夫のことは心配だけれども訪米することにしました」くらいのコメントが出されるかと思っていたけど、ありませんでしたね。裕子夫人は外交経験ほとんどゼロ。バイデン大統領来日時の夕食会で茶の湯の点前を披露したくらい。招待を受けて“どうして私ひとりで”と戸惑っていたのを岸田さんが“行け行け”と背中を押したそうです。だから出発前は相当緊張していたんだと思います。

記者C:外遊好きで知られたアッキー(安倍昭恵夫人)でも、ファーストレディとしてひとりで訪米したことはなかった。岸田さんとしては、対抗心で裕子夫人を派手に外交デビューさせたかったのではないですか。

記者B:夫の見栄(笑)。

記者D:裕子夫人は“家庭内野党”と言われたアッキーとは対照的に、地元を守る昔ながらの“政治家の妻”タイプで、選挙区を熱心に回っているとか。岸田派の議員は「地元では総理より人気がある」と言っていました。

記者A:どうなのかな。夫人は広島の三次市出身で、地元で造酒業や銀行業を営んでいた旧家のご令嬢。首相夫人となって初めての前回総選挙(2021年10月)の時には、その実家のある三次市(広島6区)に応援に入って大歓迎を受ける映像がニュースで流れたが、自民党候補は落選した。聞けば、大観衆が集まったのは動員をかけたからだとか。政治家の妻らしくないと言われたアッキーのほうが地元では票を持っているかもしれない。

記者B:それならなおのこと夫人を目立たせたいんじゃないか。岸田総理はソフトに見えても中身はすごく頑固で見栄っ張り。それに身内びいきが強い。安倍さんは“お友達人事”と批判されたが、実弟の岸信夫氏を大臣にはしなかった。岸氏が防衛大臣になったのは菅義偉内閣に代わってからだ。

 しかし、岸田総理はあれだけ批判を浴びても長男の翔太郎氏を「適材適所」と言い張って総理秘書官に起用した。霞が関の官僚人事でも、岸田さんは自分が総理になれば義弟(妹の夫)の可部哲生・元国税庁長官を財務事務次官に起用するつもりだったとされる。しかし、2020年の総裁選で菅前首相に敗れたため、可部次官の芽はつぶれた。それでもブレーンの少ない岸田総理は今も可部氏を相談相手として頼っているそうだ。本当はファミリーしか信用していない。

記者D:ファミリーしか信用していないのはよくわかります。岸田さんが「聞く力」をアピールしているのは、周囲から“もっと人の意見を聞け”と忠告されたから戒めにしているわけで、もともと人の話をよく聞く人ではない。最側近といわれる木原誠二・官房副長官さえ、「総理は全然聞いてくれない。オレはもう知らない」とよく愚痴をこぼしています。

記者C:翔太郎氏は先日の総理のインド訪問に同行した時はさすがに「お土産」の買い物はしなかったようですが(笑)、最近は岸田さんのインスタグラムの動画につけられた〈チラッ〉〈はわわ〉〈ドキドキ〉といったテロップが“寒すぎる”と密かに話題です。総理はSNSでの情報発信を翔太郎氏に担当させると言っており、若者向けのPRのつもりでしょうが、記者の間では“税金で高額な秘書官給料もらって、している仕事がこれか”という声も。

第3回につづく

※週刊ポスト2023年5月5・12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン