国内

保育園でのトラブル、保護者はどう対処すればいいのか 重要なのは先生との日頃からの関係構築

華原朋美

華原朋美は息子が保育園で“被害”にあったと語っている(写真はインスタより)

 華原朋美(48才)がツイッターで、息子が通う保育園での“被害”を告発して話題になっている。華原が、3才の一人息子が置かれている状況をツイッターに投稿したのは、4月26日のことだった。投稿によると、2年ほど通っている保育園で息子の洋服が盗まれたり、靴下が片方なくなったり、服がカッターもしくはハサミで切り裂かれるという事態が相次いだという。極めつきは、「息子が背の高い男の先生にゴミ箱に捨てられた」という投稿だ(現在は削除済み)。

 もし自分の子供や孫が保育園でトラブルに遭遇した場合、どのように対処するのが“正解”なのだろうか。

「このような事例は目立つようになってきた」と話すのは、児童虐待に詳しい心理士の山脇由貴子さんだ。

「近年では保育園でのトラブルが大きく報じられ、社会的に問題視されるようになってきました。刑事罰に問われることも増えてきています」(以下、「」内は山脇さん)

 たとえば、昨年、静岡県裾野市の認可保育園で園児の足を掴んで宙づりにするなどしたとして、保育士3人が暴行容疑で逮捕されている。華原の件では、ネット上では「子供が正しく状況を説明できるのか」という“子供の説明力の限界”についての疑問も多く上がっていたが、これについて山脇さんは次のように指摘する。

「私は長年児童相談所で働いてきましたが、子供が何才であれ、とにかく子供の言うことは絶対的に真実として扱うと徹底されています。『痛かった』とか『怖かった』といった感覚的なものも含めてです。そこは疑われるポイントではありません」

 一方で、服の紛失などについては、判断が難しい場面も多々あるという。

「子供たちが間違えてほかの子の服や靴下を自分のロッカーに入れてしまうといったことはよくあること。先生たちも全員の持ち物をこまめにチェックするのは難しい。先生たちが盗んでいるという何らかの証拠があるなら刑事責任を問えるかもしれませんが、基本的には管理責任の問題になってくると思います」

 実際には、華原のように弁護士を立てて園と対峙することができる親は少数派だ。園に対して思うことがあっても、ひとたび意見を言えば、モンスターペアレントのように受け取られてしまうのではないか、するとわが子に嫌がらせをされるのではないかと考えるあまり、本音を切り出せない人も多いようだ。

「がまんしてしまうのは考えものです。まずは『こういうことがあったんですが、先生は何か思い当たることはありませんか』と気軽に聞けるような関係を日頃から作っておくことが大事。それでも改善されなかったり、納得のいく説明が得られなかったら自治体の窓口に相談すれば、調査をしてくれるはずです」

 今回の件を受けて、華原は息子との海外移住を考えているという。彼女に、告発の件や今後について電話で尋ねると、ためらい、言葉を選びながらも、こう話した。

「私は中学、高校のときから芸能界に憧れていて、その頃は渋谷を通って学校に通っていたので、大人になったらこの保育園のあたりに住んで子供を通わせたいという夢があったんです。でも特別な園ではなく、ごく自然に普通の園で育ってほしかった。そんな夢がかなって、やっと入れた保育園だったんです。

 今回、保育園のことを発信したのは、こうやって発信することで、トラブルがなくなるのではないかと思ってのことです。最近は、思い詰めてしまい、標的は子供じゃなくて私なんじゃないかな、とも考えてしまうくらいで……。

 このまま園を辞めて泣き寝入りということも考えましたが、うちの子が辞めてほかの園児ちゃんが標的になったらかわいそうだから、徹底的に調べます。海外移住なんて勢いで言ってしまいましたが、誰が何のためにやったのかハッキリさせて安心、安全な園にしてもらいたい。それが私の役目だと思っています」

 シングルマザーとして孤軍奮闘する華原に、安息の日は戻るのだろうか。

※女性セブン2023年5月25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン