ハセベ被告のSNS投稿(画像は一部加工しています)

「卍會」のナンバー2で「インフィ」と呼ばれていたハセベ被告

 しかし、「卍会」の活動は2022年6月22日、ハウル氏が16歳の少女とみだらな行為をしたとして未成年淫行の容疑で逮捕されたことで突如、空中分解することになる。さらに同年11月、初公判を8日後に控えた中で、ハウル氏は東京拘置所内で突然死してしまう。この“2つの悲劇”により、インフィは精神的に追い込まれて行った。

 酒などで激しく酔ってしまったのか、衆人の目前で立ちションをしたり、トー横広場に家具を持ち込んで布団にくるまって寝ていたりと、尋常とは思えない行動をとるようになっていた。

 SNSでは「今日のインフィ」とばかりに、目の焦点も合わない様子で哺乳瓶に酒を入れ、飲む姿や、広場のライオンの像にまたがり奇声を上げる姿がアップされていく。そして彼は今年2月にコンビニ店員に対する威力業務妨害で逮捕されるわけだが、そのコンビニへ自転車で乗り込んでいった日の動画では、自転車で店に突っ込んでいく彼の後ろで「どうしてこうなっちゃったんだよぉ(笑い)」とゲラゲラと笑いながら動画を撮影するキッズたちの声が入っていた。

 そこには「ハウルの右腕」としてトー横に君臨していた時の面影は一切なかった。

「どうしてこうなっちゃった」――は、まさしく、その動画を見た時の私の気持ちでもあった。なぜ、「卍會」としてキッズたちを「助ける」立場にいた彼が、その頃にはもう見る影もないほど様変わりし、「保護」しようとしていた子どもたちの「おもちゃ」となっているのか。人間はここまで「自暴自棄」になれるのだろうか。

 第二回目の公判で懲役一年半の求刑がなされた4月下旬、彼がいま、何を思うのかどうしても知りたくなった私は拘置所へと足を向けた。

後編につづく

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