ハラスメントは許されざる行為だ。ジャニーズ事務所の性加害問題もあり、世間の性的ハラスメントへの視線の厳しさは増している。それでも自身のトラウマと向き合い、勇気を振り絞って被害を告白することは、心身に大きな負担をかける。5月22日発売の『週刊現代』には、梨園関係者のコメントとして次のような記述がある。
《記事の内容を読む限り、何か決定的なハラスメントが報じられているわけではなく、被害者が実名で声を上げているわけでもない》
澤瀉屋関係者が続ける。
「実名を明かして、顔を出さなければ、それは嘘になるのでしょうか? 被害を受けた私たちは、やはり、黙ってがまんしなければならなかったというのでしょうか。ほかの報道では“腹いせ”“報復”という文字も目にしました。被害者ではなく、こちらがまるで“犯人”扱いです。こんなことなら何も言えないです。いまはただ恐怖です」
セクハラ被害を語った別の劇場関係者も、いまの気持ちを吐露する。
「猿之助さんには、もうなんの感情も持っていません。ただ、段四郎さんご夫婦にはまったく無関係であるのに巻き込んでしまったこと、そして、“何も知らなかった”と他人事の松竹に対して、怒りと情けなさを感じるだけです」
歌舞伎興行を担う松竹は本誌が猿之助によるセクハラ・パワハラ疑惑を報じる前、「把握していない」と説明していた。事件後、改めて松竹に尋ねると、
「弊社としてもパワハラやセクハラはあるべきではなく、会社としてしっかり対応して参りたいと考えておりますが、現在、市川猿之助におかれては、警察など当局による対応が行われているものと認識しており、ご質問への回答はこうした対応に影響を及ぼす可能性も考えられます為、回答を控えさせていただきます」
「公演製作・主催企業としての社会的責任の見地から、弊社の興行等に関連した看過し難い事象の発生が懸念されました場合には事実確認を行い、適正に対応して参る所存です」
との回答だった。
5月25日発売の『女性セブン』は「市川猿之助 本誌だけが知る『宿縁と過ち』全真相」と題して、猿之助が40代のマネジャーA氏に「財産を相続させる」という“遺書”を残した理由、従兄弟・香川照之への激しすぎる憎悪などについて7ページに渡って詳報している。
※女性セブン2023年6月8日号