オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太の半生を描いたドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ)

オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太の半生を描いたドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ)

「森本くんの第一声は『すげぇな、海人!』」

 通常、昨今のドラマはスケジュール等の都合上、顔合わせや本読みなどの段階を飛ばしてクランクインして撮影が始まることが少なくない。しかし、『だが、情熱はある』では、それではよくないと思い、事前に本読みや少人数でのリハーサルの時間を取ったのだという。

「もう最初の本読みの時に、2人とも今のタッチに近い、なかなかの完成度で芝居してきて、『どういうこと? これは?』ってスタッフみんながどよめいたんです。それぞれがYouTubeを見て、ラジオを聴いて、本を読んで、家で練習してきて『あぁ、君たちはスゴいね』ってところからスタートしたんです。あとはモノマネになってしまわないようにさじ加減を調整したってくらいです。

 実は最初の読み合わせで特にスゴかったのが(高橋)海人くんで。やっぱり若林さんのほうが(特徴を再現するのが)難しいから大丈夫かなと不安だったんですけど、最初から仕上げてきた。初めて何ページか読み合わせして、みんな鳥肌が立つくらいで何も言えなくて。(森本)慎太郎くんがまず第一声『すげぇな、海人!』だったんですよ。

 それで初日、慎太郎くんは心が折れた感じで帰ったんです。そしたら(読み合わせの)2回目までに慎太郎くんは自分で山里さんに連絡して、『台本のここを読んで下さい』ってお願いして、もらったボイスメールで練習して、格段に仕上げてきたんですよ。本当にスゴかったですね。

 そんな2人の芝居と情熱があったから、春日さん役の戸塚純貴くんやしずちゃん役の富田望生さんも引っ張られて、いい意味で芝居合戦になったんでしょうね」

 キャラクターを似せるだけでは「ドラマ」というより再現ドラマのようになってしまう。単なるモノマネではなくドラマの中で生きる人物として描き、しっかりドラマとして作り上げるためにはどのような演技・演出が必要なのだろうか。

「もちろん僕らがやっているのだけが正解ではないですけど、『だが、情熱はある』の場合、まず、オーバーアクトをしないということですね。お笑い芸人を題材にしたドラマをやるってときに、やり方はいっぱいあると思うんですよ。もっとオーバーに演じたり変顔をしたりして、笑いに寄せて気軽に見れる作り方もある。

 でも、僕はそういうものがあまり好みではないしできない。2人の青春を描きたかったのでリアルをベースにした芝居がいい。劇中では2人が舞台に立ってないときのシーンのほうが多いし、裏の顔・表の顔が乖離するのもよくないから、若林・山里という人間像をフラットに演技してもらおうと。それは台本づくりでも映像でも美術でも同じで過剰なわかりやすい作り方はしないようにしています」

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