芸能

【フジテレビ黄金期女性アナ座談会】雑用だらけの新人時代、河田町時代の思い出、「給湯室で涙」

懐かしい思い出が蘇る(左から寺田理恵子、中井美穂、河野景子)

懐かしい思い出が蘇る(左から河野景子氏、中井美穂氏、寺田理恵子氏)

 テレビが最も輝いていた1980~1990年代、その中心にいたのはフジテレビだった。画面を彩ったフジの女性アナウンサーはアイドル顔負けの人気を誇ったものだ。元フジの局アナ3人(寺田理恵子・中井美穂・河野景子)が当時の仕事内容を振り返る(司会・構成/放送作家・山田美保子)。【全3回の第2回。第1回から読む

 * * *
寺田:当時は「タレントじゃないんだぞ」って常に上司から厳しく言われていたわよね。視聴者からのお便りを「ファンレター」と言った時も「ファンなんて言うな! 視聴者様だ! 勘違いするな」って。と言いながら、私もアイドルっぽいジャケ写で『ときめきLonely Night』っていうCDを出してるんですけど(笑)。

 それと、今日は隣に美穂ちゃんがいるからすごく言いづらいんですけれど、例えば後楽園球場へ取材に行った時、「絶対に野球選手には近づくな」って言われてました。

中井:すいません(苦笑)。

──その割に、フジテレビの女性アナウンサーの皆さんは「全種目を制覇しているのでは?」と言われるほど、アスリートの方と結婚されている!

河野:あ、この話、やめてもいいですか?(笑)でも、「勘違いするな」「お前たちは会社員なんだ」というのは私も言われていました。取材が終わればクルーと一緒に機材を片付けたり、重たい荷物を持ったりしていました。チヤホヤなんて全くされませんでしたよね。

中井:そう! あの頃に習ったケーブルの巻き方、いまでも上手にできますもん。あと、ご飯を食べるのがすごく早くなった。男性スタッフと違うものを頼むと時間がかかるからって、ガッツリ系をサクサク食べていました。

寺田:それでもフジテレビはいい意味で小さくまとまっていたというか、アットホームでしたよね。私たちはみんな、まだ社屋が新宿の河田町にあった頃しか知らなくて。

中井:そうです、お台場を知らない! 河田町時代は会社が狭かった分、家族みたいでした。

河野:ほんと、長屋みたいでしたね。番組のスタッフルームがプレハブで、新番組ができるたびに継ぎ足されて……。

寺田:でも、働いている人の顔が見えるというのは良かったと思うんです。

中井:その分、私たちがやることは多かったですよ。まず新人は電話を取ることから始まる。いまはどこでも取れるけれど、あの頃は鳴っている電話のところに行かなければ取れない時代で……。

河野:意外とどこで鳴っているかわからないんですよ。わからないけれど、呼び出し音が鳴ったらとりあえず立つ、みたいな……(笑)。

中井:出前をとるのも新人アナウンサーの仕事でしたね。外に食べに行けないアナのために一年間、外に出られませんでした。お台場になってからは、もうないと思いますが。

寺田:あと、朝は先輩にコーヒーをいれなければいけなくて、お砂糖の量とかミルクを入れるとか入れないとか、リストがありました。いまやったら大問題だけれど。

中井:でも、そういう機会にスポーツ担当の先輩と話せたり、一緒に仕事をしたことがない報道担当の先輩からアドバイスをいただいたり、いい時間でもあったんです。

河野:溜まったお茶碗を洗うついでに涙を流すこともあったなぁ~。

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン