カエル混入騒動の背景は(写真/PIXTA)
複数の総菜が入る弁当の場合、一部だけを店内で作っているケースもあるという。
「例えば、メインのから揚げは自社の店舗内でいちから作っていて、ポテトサラダは外部の業者から仕入れている場合でも、『手作り』というラベルを貼ることは可能です」(垣田さん・以下同)
こうした複雑な製造工程から、今回のカエル騒動のカラクリが見えてくる。
「野菜や肉や魚などすべての原材料を自社で仕入れて、店舗で調理するというお店は極めて少ない。専門の食品業者から仕入れることもあれば、中規模以上のスーパーだと、自社工場で作って運ぶなど、さまざまなルートがあります。
イトーヨーカドーの場合はサラダを作った工場の製造過程で見逃され、丸亀製麺は仕入れ先の野菜加工工場で見逃されてしまった。販売店は仕入れたもののチェックをまず行わないので、そのまま消費者の手に渡ってしまう。あの事件はどこでも起こりうることです」
コロナ禍で中食が飛躍したことで、事態はより深刻になっている。
「消費者の需要が高まる中で、加工工場や製造工場はフル稼働で、慢性的な人手不足です。もちろんどの工場でも異物が混入していないかチェックしていますが、カエルは葉野菜の緑に擬態してしまったのか、目視でも見逃されてしまったのでしょう」
郡司さんも、「消毒などは徹底しているはず」とした上で、こう指摘する。
「生きものは金属探知機に検知されませんから、毛虫などの小さな虫や石や砂が入り込んだり、残ったりしてしまうケースは決してゼロとはいえない。
消毒といっても、液につけるだけのところもありますからうまく全体に回らず、まだオタマジャクシの状態だったのが、出荷中に大きくなってアマガエルになってしまった可能性もありますよ」
※女性セブン2023年7月13日号
