ライフ

5類移行で新型コロナの予防と対策の分断は拡大 感染して分かった「マスク着用、手洗い、体調管理は変わらず大事」

2023年6月24日、6回目の新型コロナウイルスワクチン接種を受ける岸田文雄首相[内閣広報室提供](時事通信フォト)

2023年6月24日、6回目の新型コロナウイルスワクチン接種を受ける岸田文雄首相[内閣広報室提供](時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にあり、日本医師会の理事が7月5日の記者会見で「現状は第9波と判断することが妥当だ」と指摘した。5月に5類感染症へと分類が移行したことで、コロナに対する身構え、心構えがさらに分断されている現実が浮かびあがりつつある。ライターの宮添優氏が、5類となり行政の関与が薄まったことで戸惑う人々の声をレポートする。

 * * *
 街を歩けば半数以上の人がノーマスクで、もはや「コロナ禍明け」ともいわれる昨今。新型コロナウイルスは2023年5月に「5類感染症」へ移行し、様々な制限が無くなった。それ以降、居酒屋やレストラン、デパートや遊園地などのレジャー施設には人があふれ、丸3年続いたコロナ禍の鬱憤を晴らそうと、競いあっているようにさえ見える。そんな、浮き足だった世の中にも関わらず、神奈川県在住で中学三年の娘を持つ主婦・中野晴美さん(40代)は、もう何度目かの「コロナの洗礼」を受けざるを得ない状況だ。

「中3の娘のクラスが学級閉鎖になりました。コロナ感染者は、娘を含めて数名出ており、コロナかどうかは不明ながら、体調不良を訴える生徒も何人も出ている。当然、娘が入っている部活の練習も中止に。夏の最後の大会前に練習ができなくなり、娘達は”またか”とか”みんなに迷惑をかけた”と泣きじゃくっています」(中野さん)

 実は中野さんの娘、小学校時代最後の大会もコロナ禍により中止を余儀なくされ、楽しみだった修学旅行や課外活動のほとんどが中止に追い込まれていた。それだけに、ほとんどの生徒、親たちが「コロナ禍は終わった」と感じていたこのタイミングで、再び部活が停止になり、娘が受けたショックは「立ち直れなくなるほど大きい」と訴える。

 今さらのコロナ感染だけでなく、中野さん親子を戸惑わせたことがある。これまではあれほど感染に注意し、感染した場合は自宅内でも隔離するなどしていた新型コロナ感染が、5類移行後には隔離も必要ない、陽性者登録や健康観察も実施されないという「ギャップ」だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン