新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが2023年5月8日、これまでの「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。行動制限に関する法的根拠がなくなり、感染対策は個人の判断に委ねられる(時事通信フォト)

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが2023年5月8日、これまでの「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。行動制限に関する法的根拠がなくなり、感染対策は個人の判断に委ねられる(時事通信フォト)

「病院ではお医者さんに”コロナだねー”と言われ、痛み止めをもらっただけ。自宅内隔離も”気になるようだったらやれば”ということで、5類になってからはお医者さんが急に冷たくなったようにさえ感じました。一週間後、体調が良くなったらそのまま登校してよい、とも言われましたが、一週間後も頭痛やのどの痛みに悩まされ、結局翌週も自主的に休みました。学校側も”判断はお任せする”ということだったのでそのようにしたのですが、よかったのでしょうか」(中野さん)

 5類へ移行したばかりの新型コロナウイルスだが、感染者がここに来て増え始め、すでに「第9波」に入っていると報じるニュースもある。しかし、感染しても、半年前と今では医師も、行政も学校でさえ、その対応が全く違うことに驚く人が後を絶たない。

コロナ感染した高校生の父親から無理な相談

「明日は試合、どうにかならないか。5類なのだから先生が太鼓判を押してくれれば何とかなるのでは、という相談はいくつもありますね。どうしていいのかお迷いの患者さんは多いです」

 こう話すのは、千葉県内の開業医・横井あすかさん(仮名・40代)。つい最近も、高校生の子供がコロナ感染したという父親から、試合に出たいから何とかして欲しいという、無理な相談を聞いたばかりだ。同様の相談は、日を追うごとに増えている。

 これまで、新型コロナウイルスは結核と同じ「2類」感染症に分類されていた。だが5類に移行された現在は、対応が大幅に変わり、様々な制限も解除された。この事は、新型コロナウイルス感染に過度に敏感な人、逆に全く鈍感な人、どちらにも誤解を与えている可能性があると指摘する。

「前者は、緩和自体が患者を見殺しにするものだと主張され、後者は単なる風邪と変わらないんだろうと軽視される傾向にあり、その差は広がっているように思います。実際、私が学校医を務めている学校では、お子さんのコロナ感染をた”たいしたことない”と隠して試合に出した親御さんがいたそうで、教員や保護者の間でもトラブルになっていました。医師としては法律通り、5類感染症としての扱いをしていくに過ぎないのですが」(横井さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン