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ヤクザと刑事、かつては「風貌そっくり」 半グレの登場や暴力団排除の流れで見た目はどう変わったのか

暴力団事務所を家宅捜索する警視庁の捜査員。捜査員は分かりやすいようにベストと腕章を着用している(イメージ、時事通信フォト)

暴力団事務所を家宅捜索する警視庁の捜査員。捜査員は分かりやすいようにベストと腕章を着用している(イメージ、時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、組織犯罪対策担当の刑事とヤクザの見分け方について。

 * * *
「記事より写真が気になっちゃいました。1972年、研究のために賭博の実演をするベテラン刑事。全員ヤクザに見える」と、NEWSポストセブンの記事を読んだ友人がコメントをくれた。”4課”いわゆる「マル暴」と呼ばれる暴力団担当の刑事たちは、今も変わらずヤクザのような雰囲気を漂わせているのだろうか。

『伝統的資金源を確保できなくなったヤクザ「食べていけない」と不動産会社で早朝から会社員のように働く者も』という7月16日掲載の記事の2頁目に、”かつて暴力団の主な資金源だった「賭博」研究のため、全国から集まった警察の賭博取締り担当官を前に花札を配ったりして賭博を実演する警視庁捜査4課のベテラン刑事。1972年(時事通信フォト)”と解説がついた白黒写真がある。

 警視庁4課(現在の名称は暴力団対策課)のベテラン刑事を前にしているせいか、全員スーツにネクタイ姿。角刈りかオールバックの髪型がずらりと盆を囲む。もう少し時代が遅ければ、パンチパーマやスキンヘッドの刑事がいたかもしれない。実演する刑事の手元をポケットに手を突っ込み硬い表情でそれを見る者、あぐらをかいたり、立膝をつきながら見下ろす者。どの刑事の視線も鋭く、優し気な顔の者は誰もいない。

 強面のガラの悪そうな男たちが、ダブルのスーツや派手な柄シャツのヤクザファッションに身を包めば、一般人にはそれが刑事かヤクザか見分けはつかないだろう。山口組の分裂抗争時は組事務所にガサに入る捜査員たちの様子がニュースで流れたが、組事務所の中で一緒になれば、どちらが捜査員でどちらがヤクザかわかなくなりそうな風体だ。そのためではないが、双方を見分けるには「腕章」が目印となる。捜査員はほぼ全員「組対4課」の腕章をつけているからだ。

落ち着いているから組長か幹部だと思った

 昭和の頃は当の刑事たちでさえ、そこにいるのがヤクザか警察か見分けがつかないことがあったと元刑事は笑った。「刑事に成りたてで、通称『盗犯(とうはん)』という空き巣やひったくり、すりなどの窃盗事件を扱う部署に配属された時のことだ」。盗犯が扱うのはすりや泥棒でヤクザは専門外だった。

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