拉致後にソウルの自宅付近で解放された金大中氏(写真/共同通信社)

拉致後にソウルの自宅付近で解放された金大中氏(写真/共同通信社)

「秘密部隊の話は承知している」

 本誌・週刊ポストが複数の元自衛官らに「別班」について聞いたところ、「金大中事件で活動はあったろうが、具体的な内容は都市伝説の域を出ない」、「陸幕二部にはそれほど予算がつかず、精鋭が集まる部署でもない」などの声が寄せられた。

 元航空自衛隊三佐で軍事評論家の潮匡人氏は「ケーブル1本にも会計検査院のチェックが入る防衛省・自衛隊に、大規模な秘密の部隊が作れるわけがない」と指摘する一方、元陸将で韓国防衛駐在官、陸幕調査第二課長を歴任した福山隆氏は「現在も守秘義務があるので、別班については『肯定も否定もできない』としか答えられません」と含みを持たせた。

 自衛隊を管轄する歴代の防衛大臣経験者たちは別班をどう見ているのだろうか。

 小野寺五典氏、久間章生氏は本誌の取材に「全く知らない」と答えたが、石破茂氏の回答はやや趣が異なる。

「そういう秘密部隊があるという“話”は承知しているが、私自身が報告を受けたことはなく、部隊もメンバーも見たことはない。しかしながら、ヒューミントを行なう別班のような対外情報機関はどの国にもあり、専守防衛に徹する日本にこそ必要。問題は、その組織をどうコントロールするかだが、それは立法府が担うべきと考えます」

 いつか存在が明かされる日は来るのか。

※週刊ポスト2023年10月20日号

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