芸能

メインキャストの数が増加!「主演3・4人のドラマ」や「8人メインのバラエティ」も “大物スターがいなくなった”だけじゃない理由

『ジョンソン』はメインが4組8人(公式HPより)

『ジョンソン』はメインが4組8人(公式HPより)

 秋のドラマやバラエティに今までにないある傾向が見られるという。それはメインキャストの数を増やした番組の増加。トリプル主演、クアトロ主演というドラマ、メインの芸人が4組8人というバラエティも生まれている。その背景にはどんな事情があるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 23日に新番組『ジョンソン』(TBS系)がスタートしました。こちらは、かまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨークの計8人がメインキャストのバラエティ。ダウンタウンを中心にした伝説的バラエティ『リンカーン』の後継番組であり、現在では数少なくなったお笑い純度の高い内容が期待を集めていました。

 その4日前の19日にも新番組『オドオド×ハラハラ』(フジテレビ系)がスタート。こちらはオードリーとハライチの計4人がMCを務めるバラエティであり、芸人の持ち味を引き出すことに長けた佐久間宣行さんがプロデューサーを務めるだけあって、こちらもお笑い純度の高い内容でXのトレンドランキングをにぎわせています。

 さらにドラマでも、月9の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)は、二宮和也さん、中谷美紀さん、大沢たかおさんのトリプル主演。木10の『いちばんすきな花』も多部未華子さん、松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さんのクアトロ主演。どちらも単独主演やダブル主演という、よくある形ではなく、あえて主演の人数を増やした作品で勝負しています。

 今秋の新番組は、なぜバラエティもドラマもメインキャストの数を増やしているのでしょうか。それを掘り下げていくと、「単に大物スターがいなくなった」という理由だけではない背景が浮かび上がってきます。

「掛け算」が成立せず「足し算」に

 前述したように「この人をMCや主演に据えておけば大丈夫」という大物芸能人が21世紀に入って以降、減っているのは間違いないでしょう。

 だからこそ企画会議やクライアントとのやり取りなどの段階で、「このMCや主演では“弱い”」という言葉があがりやすくなっていました。2010年代あたりからバラエティのダブルMC、ドラマのダブル主演が増えていたのは、その“弱い”の対策だったのです。

 かつてはMCや主演の人数を増やせば、「スケールの大きな番組という印象を与えられ、掛け算のように視聴者が増える」とみなされた時代もありましたが、現在はなかなかそのようにいきません。現在の視聴者は、エンタメの選択肢が増えたこともあって、「テレビ番組に限らずあらゆるコンテンツで出演者の好き嫌いがはっきりしやすい」と言われています。「それなりに好きな人がメインでなければ見ようと思わない」「『有名な人が出ているから見る』という感覚があまりない」という人が増えました。

 そのため複数のMCや主演の番組は、「それぞれのファンを持ち寄る」という単純な足し算のマーケティングに留まり、掛け算が成立することはめったにありません。だからこそバラエティもドラマも、MCや主演の人数をより増やすことで足し算を大きくする必要性に迫られています。

 さらに毎分視聴率の動きなどのデータから、「あまり好きではない出演者の出番が多い番組は、あっさり見るのをやめてしまう」という人が増えていること発覚しました。それを防ぐために、「できるだけアンチの少ない出演者の人数を増やして出番を分散させる」というリスクヘッジを採用しているところもあるようです。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン