国内

【自民党と創価学会】いまなお数百万票を獲得する公明党 その規模は「自民党最大の支持団体15個分」

自民党の選挙にはいまなお創価学会員の影響が(時事通信フォト)

自民党の選挙戦にはいまなお創価学会員の影響が(時事通信フォト)

 有権者を見下した“4万円減税”で支持率回復を目論む岸田政権の足元には大きな爆弾が埋まっている。10月13日、政府は東京地裁に旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の解散命令を請求した。旧統一教会の問題は改めて国民に「政治と宗教」の密接な関係を知らしめたが、最大にして最後のタブーはいまだ触れられないままだ。

 公称会員827万世帯を誇る創価学会──政権運営に多大な影響を及ぼしながら、これまで公明党という緩衝材のおかげで、自民党との関係性は表に見えてこなかった。支持率低下にあえぐ岸田政権の生殺与奪権をも握る「最強集票組織」の正体に迫った。

 自公ではなく「自創」という連立政権の核心を知り得る者は、永田町にも数少ない。長年その関係を取材し、創価学会との太いパイプがあることで知られる菅義偉・前首相のもとで首相補佐官を務めた帝京大学教授の柿崎明二氏がその内幕を描く。【全3回の第1回】

 * * *
 早期の衆院解散、総選挙に踏み切れるのか──。岸田政権の行方を占う衆参両院の補欠選挙(10月22日投開票)は自民党の1勝1敗という微妙な結果となった。そこで浮き彫りになったのは岸田政権の求心力低下にとどまらず、自公両党の得票力の衰えと自民党は単独では勝ち切れなくなりつつあるという事実だった。

 岸田文雄・首相は翌10月23日午前、記者団に「地域の政治情勢や合区の影響を分析した上で、今後の対応に万全を期したい」と述べた。負けた参院徳島・高知選挙区を念頭に置いているようだが、深刻なのは自民党が面目を保った形の衆院長崎4区補選も同じだ。

 自民党の金子容三氏は5万3915票と約7000票差で立憲民主党の末次精一氏を制した。これは金子氏だけで得た票ではなく推薦した公明党票が含まれている。政党の得票力を示す参院比例代表選の過去の結果を見ると、公明党は大票田である佐世保市だけで1万数千票を持っている。

 共同通信の出口調査によると公明党支持者のうち91%が金子氏に投票している。公明党の支援がなければ負けていたこと、それがあっても勝利は盤石なものではないことが浮かび上がる。

 単独では勝ちきれない自民党の現状を示す選挙結果は長崎から遠く離れた東京で9月から相次いでいた。9月3日投開票の立川市長選で、自民党が推す前都議が立憲民主党などが推す前都議に敗北。10月15日、両都議の市長選転出に伴って行なわれた東京都議選立川市選挙区で、自民党の新人が都民ファースト、立憲民主党の新人に敗れた。市長選は1581票差、都議補選は91票差。いずれも立川市で約9000票を持つ公明党の推薦を得ていなかったことが敗因の一つと受け止められた。

 自民党と公明党が1999年に連立に踏み切ってから24年になる。翌年、両党は衆院選に際して選挙協力を築き、2009年からの野党時代も衆院選で選挙協力を継続して政権を奪還、今に至っている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン