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【全文公開】宝塚いじめ騒動、天海祐希も苦悩した“嫉妬の園” トップ合格、異例の出世で悪質な噂を流されたことも

天海祐希も女の園の厳しい世界を経験

天海祐希も宝塚で苦悩を経験(写真は2023年)

 100年以上の歴史を持つ宝塚歌劇団からは、これまで数多くの名優が巣立っていった。その中でも一際輝きを放っているのは、天海祐希だろう。だが、宝塚でスターダムを駆け上った彼女もまた、在籍中はさまざまな“悪意”と対峙していた。

 昨年末に配信がスタートしたNetflixオリジナルの韓国ドラマ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』は、高校を舞台にした壮絶ないじめの被害者であるヒロインが、十数年後に加害者たちに復讐を果たす物語だ。

 各国のNetflix内のドラマランキングで1位に輝いた同作は、衝撃的なストーリーと血なまぐさい暴力描写で話題を呼んだ。物語の冒頭、いじめのターゲットにされたヒロインは、「温度チェック」と称して、熱したヘアアイロンを腕に押し当てられるのだ。うめき声とともに、真っ赤にただれた皮膚は画面を通しても痛々しさに満ち、苦痛が充分に伝わってくる。

 もしかしたら、彼女もそうだったのかもしれない──その“問題作”が、配信から1年近く経ったいま脚光を浴びている理由は、「いじめ」と「ヘアアイロン」が結びつく騒動が、「宝塚歌劇団」という絢爛豪華な世界でも起きていたと報じられたからだった。

 兵庫県宝塚市にある宝塚大劇場では、11月23日まで予定されていた雪組公演が中止に。10月29日には、劇場内のチケットカウンターやレストラン、物販店舗なども一部を除いて休業することが発表された。9月30日に、宙組に所属する有愛きいさん(享年25)が自死した痛ましい出来事に、現在の大劇場周辺は、近隣住民が戸惑うほどに閑散としている。

 阪急電鉄とJR福知山線が乗り入れる宝塚駅から大劇場へと続く遊歩道は通称「花のみち」と呼ばれ、その遊歩道が、公演がある日に多くのファンでごった返す背景には、宝塚独特の習慣がある。

「楽屋入りする男役トップスターを熱心なファンたちがお見送りする『入り待ち』があるんです。公演ごとにジャンパーやスカーフ、小物などを揃えて、統制の取れた動きで“行ってらっしゃい”と声をかけます。トップスターは立ち止まって、笑顔で応えるのが恒例行事。公演中の入り待ちは、開演時間の2~3時間前なので、周辺には何時間も前から人が集まるんです」(宝塚ファン)

 宝塚には、そうした独特な慣習が伝統として受け継がれてきた。もちろん、タカラジェンヌたちもそれを理解している。だからこそ、ステージを降りた後でも、タカラジェンヌとしての品格を重んじる暗黙のルール「すみれコード」が重視されてきたのだろう。だが、かつてそうした習わしに大なたを振るったトップスターがいた。天海祐希(56才)だ。天海は1993年から2年間、月組のトップスターを務めた。

「天海さんは楽屋入りの際、決まって帽子を目深にかぶり、大股でファンの間をすり抜けていきました。ファンからの歓声にも応えなかったため、ファンからは“あまりにも無愛想で、サービス精神がない”と言われたこともありました。でも、それは“劇場を離れればひとりの人間”という天海さんなりの考えがあったから。普段から、トレーナーやTシャツにジーンズというシンプルな服装を好み、すっぴんで自然体を通していたのも彼女ぐらいでした」(宝塚関係者)

「宝塚の最高傑作」と言われ、数々のステージの中央でスポットライトを浴びてきた天海。一方で、時に「異端児」とされ、「いじめ」の標的になったこともあった。しかし、天海自身は公の場で宝塚時代のことをあまり語ってこなかった。

「天海さんは、過去の苦労話をすることをあまり好まないんです。大変だったことや納得がいかなかったことでも、自分の中で整理がついていれば、わざわざ話さなくていいという考え方なんです。苦しい記憶であっても、いまとなっては自分を形作る思い出の1つだという思い。それだけ、宝塚時代を大事にしているのでしょう。だから、軽々に話したくないという気持ちが強いんだと思います」(演劇関係者)

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