スポーツ

可能性が広がった「競走馬のセカンドキャリア」 乗馬クラブや競馬学校で活躍、誘導馬として声がかかることも

10月28日の東京7レースでは未勝利馬シャーンゴッセが格上挑戦で勝利、続く8レースも勝って1日2勝をあげた

10月28日の東京7レースでは未勝利馬シャーンゴッセが格上挑戦で勝利、続く8レースも勝って1日2勝をあげた

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、競走馬のセカンドキャリアについてお届けする。

 * * *
 プロ野球シーズンが終わると選手たちの「進退」が話題になります。十分やり切って引退という選手もいれば、戦力外通告を受けても「まだまだやれる」と他の球団からのオファーを待っている選手もいますよね。

 中央競馬では、レースで結果を出せなくなると、やむを得ず「次」の道に進まなければなりません。中央の登録を抹消して地方競馬という新たな舞台でもう一旗揚げようという馬、乗馬用の馬として新たなトレーニングを始める馬、あるいはお母さんになる準備をする馬などさまざまです。

 かつて競馬を引退した馬の行き先は曖昧なケースが多かったのですが、近年はセカンドキャリアへのケアも整いつつあります。

 蛯名厩舎にいた馬も、新たな“馬生”を歩みだしています。かつて面倒を見たスタッフなどは、その行く末が気になるのでしょう。地方競馬で勝ち上がったり、上位争いをしていたりすると、嬉しそうに知らせてくれます。中央競馬の制約がないところで、素質を開花させる馬もいるかもしれません。

 馬主さんにしてみれば、愛馬は我が子同然の存在。競走成績にかかわらず、引退後のこともいろいろ考えていただいています。とはいえ、手元に置いておくわけにもいかないし、まだまだ元気ではあるので、手放してからもできるだけのことはしてあげたいと思うものです。

 それは僕ら厩舎人も同じで、馬主さんから相談されれば、いろいろな伝手をたどって、可愛がってくれそうな乗馬クラブなどを紹介します。そのためにも日頃から人間の言うことをきちんと聞いてくれるように調教しなければならないわけです。あまりうるさい馬だと、敬遠されてしまう。初心者が乗っても大丈夫なほどおとなしい馬だと、「助かっています」などと言われ、ホッと胸をなでおろします。馬で生活をさせてもらっているのですから、そういうところまで考えないといけない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン