「警察に相談している」
山口氏とA子さんの間のトラブルは、ここから奇妙な方向に展開する。娘にキスした男が国会議員と知った母親は1週間後、山口氏と喫茶店で面会した。その場で山口氏は、「A子さんに頼まれて自宅まで送った」「自分は冷静だった」と釈明したという。母親が語る。
「親切で送ってくれたなら、どうして意思も示せないような状態の娘にキスしたのかと質しました。すると、『娘さんは1人では歩けない状態で、彼女のほうが(背が)大きいので、(エレベーター内で)彼女がよろけて寄りかかってきて、私がおぉーっという感じで、そしたら……』って言い出し、最後には『そういうつもりじゃなかった』と。でも、冷静な人なら、娘が寄りかかってきてもキスはしないですよね」
山口氏の弁明を聞いた母親はこう応じた。
「私はPTSDと虚血性心疾患の持病があり、娘のキスを見てすごいショックで恐怖を感じたんです。それを伝えると山口さんは、『具体的にどうすればいいのか。対応させていただく』と言う。そこで迷惑料、慰謝料として30万円を求めました」
母親の要求は飛躍した印象を与えるだけに、山口氏にも言い分があるだろう。しかし、反論に際しては、事の始まりであるA子さんとの出来事についても説明が必要だ。本誌が山口氏にキスの事実関係、「ガス会社の社員」を名乗った理由などを質問すると、事務所を通じてこう回答した。
「(A子さんを送り)マンション共用部分に入りました。エレベーターの中で泥酔し倒れそうになった女性に抱きつかれるなどしましたが、エレベーター前で待っていた、実家の女性の母親に引き渡しました。女性の母親は帰宅が遅いとして泥酔している女性を叱り、また、私にも怒りをぶつけてきましたので送ってきた経緯を説明しました」
ガス会社の社員を名乗った理由、そしてキス行為について説明がないまま、文書回答はこう続く。
「その後、女性の母親から個別に呼び出しがあり、自身が受けた精神的損害について慰謝料として30万円を要求されましたのでお断りしたところ、数日後、母親の代理人を名乗る別の男性2人から別々に慰謝料の請求と要求に応じない場合は週刊誌などで記事になる可能性が示唆されましたので、悪質な恐喝行為に該当する可能性があるものとして警察に相談している」