森山未來は大の三国志好き。引き出しから模型を出す(c)フジテレビ
三国志マニアすぎる森山未來
孔明を雇ったクラブ「BBラウンジ」のオーナーの小林(森山未來)は三国志マニア。第1話では小林が事務机の引き出しを開けて、土が敷かれた戦場のジオラマを取り出して孔明に計略の狙いを諮るシーンが強烈に印象に残る。引き出しから突如登場するジオラマは、原作にはない渋江のアイデアだ。
「三国志での計略や思想を説明するシーンにCGを入れると冷めるなっていうのがあって。オーナーが三国志マニアなので、そういう引き出しにすれば手元で説明できるし、無類の三国志好きっていうのも伝わる。あとは三国志の武将のイラスト入りのカードもあれば、顔写真を別途出さずに説明できる。ちゃんとストーリーに落とし込みつつ、説明もできるみたいな装置ですね」
森山未來はその役柄同様、大の三国志好き。プロデューサーと森山が中心になって話し合い、原作や脚本にもない三国志要素を加えていったという。
「三国志を知っている人はもちろん喜んでくれるし、知らない人も(森山さんが)えらく楽しそうに喋っているなっていう楽しさが伝わると思うんですよ。なんか思いついたら我慢できずに言っちゃう感じが。だから三国志ネタが増えることにかんしてはもうウェルカムでしたね」
森山と渋江は、『太宰治短編小説集』の「走れメロス」や『浮世絵で旅する東海道中膝栗毛』(ともにNHK)でともに仕事をしている。
「オーナー役には、孔明とバディ感を出せる人、向井さんとカッコよく対峙できる人というのがまずあって、プロデューサーからも自然と森山さんが挙がっていましたね。一緒に仕事をしたことがあるし、もうこれはバッチリだと。
森山さん(の演技力)は編集しながら改めてその凄さを実感しました。今回は順撮りではないのですが、全部繋いだ時にちゃんと心情の動きが繋がっているんです。話を重ねるごとに孔明に少しずつ心を開いていく様子が自然と出ている。やっぱり芝居に無理がないんですよね。一貫している。だから作品の性質上、演出過剰なところもあるんですけど、それをうまく消化してリアルに落とし込んでくれているんです」