上白石萌歌は「普通の子っぽく演じられる」
孔明の三国時代の主君・劉備役には中国語が話せるディーン・フジオカがキャスティングされた。劉備による中国語でのオープニングナレーションは、本作の世界観を効果的に示している。
「あの中国語のナレーションで本格感が出たんじゃないかと思います。孔明が計略の説明をするシーンも中国語になるのは、三国時代に孔明が実際に謀った兵法を応用した計略だと伝えるためです。説明が中国語になると字幕で補完せざるを得ないので、ながら見ができなくなるという懸念もありましたが、そこは譲らずにやらせてもらいました」
孔明の特徴的な衣装はもちろん、それ以外の登場人物も基本的に衣装が変わらないのが本作の大きな特徴だ。「衣装込みでキャラクターにしてしまおう」という考え方だという。その中で唯一毎回衣装が変わるのがヒロインの英子だ。
「ブレない周りの人たちに対して、英子が色んな人と出会って、右往左往したり迷ったりしながら成長していくというのを際立たせたいと思って、ひとりだけ衣装を変えることにしました。その普通の子っぽさを上白石萌歌さんが自然と演じてくれました」
英子は小林がオーナーの「BBラウンジ」でアルバイトをしながら、トップアーティストを目指す役柄なので、毎話のように歌唱パートが入る。つまり、高い演技力と歌唱力を兼ね備えた人でなければならない。歌声だけ別の人物をあてる手法もあるが、実写の場合、それをしたら興ざめだ。結果、上白石萌歌以外には考えられないとキャスティングされたという。