原作を元にしたドラマ制作の経験が『パリピ孔明』に活かされた(c)フジテレビ

原作を元にしたドラマ制作の経験が『パリピ孔明』に活かされた(c)フジテレビ

 渋江修平は工業高校のデザイン科に進学しデザインを学んだ。大学でもデザインを専攻。大学3年生の時に仲間とグループ展で映像を作ったことが映像の世界に入ったきっかけだ。

「その頃、NHKで『デジタル・スタジアム』という素人が投稿した映像をプロが批評する番組があったんです。当時はSNSやYouTubeがまだ今のような状況ではなく映像作品を出す場所がなかったので、作るたびに投稿していたら何回か選んでもらえていたんです」

 この番組の審査員でMr.ChildrenなどのMV制作で有名な丹下紘希の会社に入ったことで、渋江もミュージックビデオを撮るようになっていった。程なく退社しフリーランスになりながらも派遣社員をやりながら映像制作も続けた。そして2009年放送の『太宰治短編小説集』(NHK)をきっかけにドラマの演出も担うようになった。その後、『シリーズ・横溝正史短編集』、『シリーズ・江戸川乱歩短編集』、『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』(ともにNHK)と小説の映像化作品を手がけていった。

「今思えば最初に小説の映像化の仕事から入ったのがすごく良かったなと思いますね。文章から映像をつくるときにものすごく幅があるので、自由に演出を考えることができる反面、限られた予算でどう表現するかも考えなくてはいけない。そのまま映像化するのは予算的に出来ず、なんらかの方法で同じ表現ができないかと工夫してきたから、漫画原作がある『パリピ孔明』にも生きていると思いますね」

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