芸能

60代女性記者、紅白出場者に「英字表記が19組」とため息 「古き良き紅白を見せてくれた方がありがたい」

2009年の第60回NHK紅白歌合戦

出場歌手の“英字表記”率が上昇傾向(写真は2009年の第60回NHK紅白歌合戦より)

 年々視聴率が下がっているとはいえ、年末になると必ず話題になるのがNHK紅白歌合戦。近年は、若い視聴者を意識した出場者が多いことも注目されている。そんな『NHK紅白歌合戦』に出場するアーティストの顔ぶれついて、『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が綴る。

 * * *
「あ〜あ、あ〜あ」

『NHK紅白歌合戦』出場歌手44組の名前を見ながら、「あ〜あ」しか出てこない私。今年最大の話題は、昨年は6組出場していた旧ジャニーズ事務所所属タレントの穴を誰が埋めるのよ?だったけれど、昭和オババがため息をつくのはそこじゃない。

 なんたって、英字表記が男女合わせて19組だよ。紅組初出場の「Ado」と「ano」とか、何かの間違いかと思ったもんね。ま、「Official髭男dism」 や「YOASOBI」のように、ヒット曲が耳慣れてくれば違和感もなくなるから、まぁいいとしよう。アニソン歌手やいまどきのアイドル歌手の歌唱力はハンパじゃないしね。私が知らないだけで、その世界では一流であることは、それなりにわかる。

 が、初出場歌手に伊藤蘭と大泉洋ってどういうこと? 石川さゆり(46回目)や郷ひろみ(36回目)といったヘビー級のベテラン枠に新風を入れようという算段なの? あ、演歌枠は若手の男女を2人ずつ入れたんだ、とNHKの苦心のキャスティングに息苦しくなってきちゃった。

 ともあれ、「紅白といえば小林幸子」という時代が長く続いて、この季節になると、彼女がどんなド派手な衣装を着るかが話題になったっけ。その彼女を快く思わない大物歌手がいて、それも含めて年末年始の風物詩になったのは、昭和から平成にかけて。

 その渦中も渦中の1995年冬に、小林幸子さん(69才)にインタビューをしたことを思い出したの。本誌・女性セブンの「戦後なんでも50年史」という企画で、小林さんには「歌謡曲の戦後50年史」の語り手になっていただいた。

 10才でデビューしてすぐに人気が出たけど、美空ひばりの母親のふとしたひと言がきっかけで出番が激減して、15年間の下積み生活が始まる。昌子・淳子・百恵の花の中三トリオの活躍を見ながら地方回りをしていたときの心境と、25才のときに『おもいで酒』がヒットして世界が一変したときの戸惑いを彼女は心情たっぷりに聞かせてくれたけど、一流の歌手とは歌がうまいだけじゃない。話芸も一流なのよね。

 で、ここから先があるの。インタビューの前にマネージャー氏から「紅白のことは触れないでください」と念押しされていたのよ。某歌手がらみについて答えるつもりはないということで。「はい、それはもう」と私も電話で約束した。だけど、小林さんの話をひと通り聞き終えたら、どうしても紅白について聞かずにいられなくなったんだわ。

「あの〜、紅白って時代的に終わっちゃっているじゃないですか?」と私が言ったときの小林さんの顔! 「えええ〜。ちょっとぉ〜。この記者さん、『紅白が終わっている』って言ってるよ〜」と、おどけた様子でスタッフの方を振り向いて声を張られたの。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン