ライフ

【58歳から元気になる方法】「がんと診断された──」そのとき、患者は何を考え、どう動くべきか 和田秀樹医師が提言

(イメージ)

「がんの疑い」を指摘された患者は、まず何をどう考えるべきか(イメージ)

『80歳の壁』など数々のベストセラーを生み出す和田秀樹医師が、「58歳から元気になる方法」をテーマに、現役世代の悩みに答える。年に一度の健康診断やがん検診を受けるなかで、「がんの疑い」を指摘されたら、人は何を考え、どう行動すべきなのか。がんと聞いてパニックになり判断を誤らないための心構えを、和田医師が提言する。

 * * *

「がん」は10年かけて大きくなる

 以前も述べたように、1981年以降、日本人の死因第1位を占め続けているのが「がん」です。厚生労働省の「2022年人口動態統計」によると、がん(悪性新生物)で亡くなった人は24.6%。亡くなる人の4人に1人という高確率であり、急性心筋梗塞で亡くなる13倍以上の人が、がんで亡くなっています。

 つまり日本は「がんで死ぬ国」と言えます。「がんは怖い」「がんは命に関わる」という認識が一般的だからこそ、毎年のように健康診断を受け、がん検診を受ける日本人が多いのでしょう。

 コロナ禍の受診控え・検診控えによるがんの進行・悪化が一部で懸念されていますが、コロナ禍の数年間、検査をしなかったからといって、新たながんの発症が急に起こるわけではありません。

 そもそも、がんは私たちの体内で毎日のように生み出されていると考えられています。ウイルスや紫外線などの影響や、加齢によってDNAのミスコピーが起こると「出来損ないの細胞」が作られ、その一部ががん細胞として増殖します。そのほとんどは微小なうちに免疫の働きにより撃退されますが、攻撃・排除を免れたがん細胞は時間をかけて大きくなっていきます。

 1000分の1ミリ単位の微小ながんが、検診などで見つかる1〜2センチメートルの大きさになるまでかかる時間は、数年から10数年と言われます。がん検診で初期のがんが見つかる場合、何年も前の時点で免疫が取り逃したがん細胞が増殖したものと考えられるのです。

検診を受けるなら「どうするか」を考えておく

 そもそも、がんという病気は、基本的に「急に亡くなる」ものではありません。一般的ながんの症状として多くの人が思い浮かべる「痛み」や「倦怠感」、「吐き気」「脱毛」といったものは手術や抗がん剤、放射線などの「がん治療」に伴う副作用のことが多く、がんそのものは、多くの場合、「末期」と呼ばれる段階まで自覚症状があまりないのが特徴です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン