芸能

【プロデュース作品『SHOGUN』が配信開始】真田広之、果たせなかった師匠・千葉真一さんとの和解

真田広之が千葉真一さんとの和解を果たせなかった

千葉真一さんの息子役として銀幕デビューし、絶縁状態を経て、千葉さん亡きいま大活躍する真田の胸中とは

「日本の時代劇ファンのかたに納得してもらえるものを作りたいというのが原点でした」──。『ラスト サムライ』(2003年)でハリウッドデビューを果たしてから約20年。悲願を達成した真田広之(63才)を突き動かしたものは──。【前後編の前編】

 2月中旬、都内にある一流ホテルの宴会場。プレミア試写会の舞台挨拶を終えたのち、会場に現れたのは真田広之だ。流暢な英語で外国人スタッフらと会話を交わし、笑顔でグラスを傾ける。その柔らかな表情には、「やっと見返すことができた」という自負の色が浮かんでいた──。

 この日、行われていたのは、真田がハリウッド作品として初主演かつ初プロデュースを務めるドラマ『SHOGUN 将軍』の記念パーティーだ。真田とともに二階堂ふみ(29才)、西岡徳馬(77才)、ハリウッドのスタッフらが参加した。

 同作はジェームズ・クラベルのベストセラー小説が原作で、戦国時代の日本を舞台に、主人公の徳川家康にインスパイアされた戦国一の武将、吉井虎永を真田が演じる。

 ハリウッドの製作陣が手がけるスペクタクルドラマとして、2月27日よりディズニープラスで世界に向けて配信される。

 米・ロサンゼルス在住の映画ジャーナリストの猿渡由紀さんが語る。

「2月14日にはロサンゼルスでプレミア上映会が開催されました。現地の評価は非常に高く、映画評論サイトではいまのところ最高評価を獲得しています。私も見ましたが特に日本文化の伝え方が素晴らしく、日本人以外にはわからないような些細な演出にも細かく手が入っていました」

 現在、ロサンゼルスの街中には虎永に扮した真田の巨大なビルボード(屋外広告)が掲げられ、空港のセキュリティーチェックで使うトレーにも『SHOGUN』の文字が躍る。

 真田は、『SHOGUN』の撮影を終えて間もない頃のインタビュー(産経新聞・2022年8月31日)で感慨深げにこう語った。

《『ラストサムライ』から20年。うがち続けて、少しずつ扉が開き、やっと“初めの一歩”を踏み出せました》

『SHOGUN』の撮影現場は前代未聞の出来事の連続だったという。スタッフのひとりが語る。

「撮影は、カナダのブリティッシュ・コロンビアで2021~2022年にかけて行われました。私が知るハリウッド作品のなかでも日本から最も大勢のエキストラを含むスタッフが参加しました。これほどの大所帯を引き連れることができたのは、真田さんがハリウッドで信頼されているから。早朝から深夜まで現場を走り回る真田さんは、動きやせりふ、小道具に至るまで入念にチェックしていた。本当にタフでハードな毎日でした」(映画会社関係者)

 目が回るようなスケジュールをこなし続けた真田だが、彼の仕事好きはいまに始まったことではない。

 1960年、東京で生まれた真田は5才のときに劇団ひまわりに入団し、同年の映画『浪曲子守唄』で千葉真一さん(享年82)の息子役として銀幕デビュー。13才で千葉さんが主宰するJAC(ジャパンアクションクラブ)に入団した。

「“肉体は俳優の言葉”との理念を掲げるJACでアクション俳優としての腕を磨きました。『真田』は芸名ですが、千葉さんが自分の『真』をとって名付けたほど真田さんを溺愛しました。しかし、真田さんの映画出演が増えると、ギャラの金額を巡って両者に亀裂が生じ、1989年に真田さんはJACを脱退しました」(真田の知人)

関連記事

トピックス

小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン