会場の熱気を織り込んで話す上戸彩
そんな松岡と広瀬の大先輩で、お笑い芸人たちのミューズ的存在の主演女優といえば上戸彩である。上戸は『M-1グランプリ』(朝日放送テレビ・テレビ朝日系)のMCを、2008~2010年、2015年~2023年に務めている。同大会に5年のブランクがあり、復活した際に降板することもできたと思うが、上戸はオファーを快諾し、昨年までに至る。
筆者は、上戸が最初にMCを務め、NON STYLEが優勝した2008年、会場で観ていて、上戸から“拾って”もらった経験をもつ。当時、レギュラー番組で共演していたノンスタの最初のネタの出来があまりにも素晴らしかったので彼らがハケるとき、思わず、「よし!」と声を上げてしまったのだが、上戸がそれを「いま、ファンの方からも『よし!』という声があがりましたね」と拾ってくれたのだ。
ただ台本やカンペを読むだけでなく、ちゃんと会場の様子や熱気を織り込んで話すのかと感心したことを覚えている。
その上戸の前の7大会の内3大会でMCを務めていたのは小池栄子だ。ドラマや映画、テレビCM、そしてバラエティのMCとして引っ張りだこの彼女の演技については、映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』(2020年公開)で共演した大泉洋が評した「全部の人、食っちゃいます」に尽きるだろう。その大泉と共演したNHK大河『鎌倉殿の13人』でも小池はその演技力を多くの専門家や視聴者たちから評価された。
ふた昔前ならば確実に「もうバラエティは卒業」という選択になったかと思うが、小池も『クレイジージャーニー』(TBS系)や『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)など、バラエティ番組のMCを楽しそうに続けている。