関西弁の台詞を覚えて歌と踊りの稽古をこなすのは過酷過ぎたはずですが、趣里ちゃんは本番でもバックステージでもスズ子を生き生きと演じ続けました。だから共演者は頼り甲斐のある彼女のことを好きになり、現場は常に“みんなでスズ子を盛り上げよう”という雰囲気に溢れていました。
ある時、疲労がたまっていそうな趣里ちゃんと楽屋裏ですれ違った時に「疲れているだろうけどファイト!」の意味を込めて拳を握ってガッツポーズを送ると、彼女はその上を行くような素晴らしい笑顔で応じてくれました。一番疲れている時に一番良い笑顔を返すなんてすごい根性で、見習わなきゃと感じましたよ。流石です!
【プロフィール】
橋本じゅん(はしもと・じゅん)/1964年生まれ、兵庫県出身。主な出演作に映画『図書館戦争』シリーズ、『キングダム』『罪の声』、ドラマ『MIU404』『ハヤブサ消防団』、NHK連続テレビ小説『ひらり』『なつぞら』『エール』など。
※週刊ポスト2024年4月5日号