大阪の名門進学校「清風高校」で起きた男子生徒の自殺は学校側に責任があるのか──。生徒がカンニングをしたことがきっかけだったが、遺族は教師らの「卑怯者」という言葉が死の直接的な原因だと主張している。4月8日、遺族は1億円あまりの損害賠償を求める裁判を大阪地裁で起こした。生徒の身に何があったのか。取材を進めると、厳しい校則、そして処分内容が明らかになった。
大阪市天王寺区にある清風高校は男子校で中高一貫教育を行う進学校。2023年度は京都・大阪・神戸大にそれぞれ10人以上が合格し、浪人生を含めると国立大に計284人が合格。医学部の進学者も多い。
仏教系の私学で、運営法人「清風学園」のホームページには『特色』として▽建学の精神に基づき、仏教を中心とした宗教による教育を行っている▽毎日の朝礼で般若神経の読誦を行い、折に触れて写経を行っている──といった記載がある。1年生は高野山、2年生は法隆寺と薬師寺、3年生は伊勢神宮で修養行事を行っているという。
「清風高校の特徴は、仏教系というのもさることながら、校則が厳しいことです。昨年3月には大阪弁護士会が『清風カット』と呼ばれる校則で指定されている髪型について人権侵害だと改善を勧告したこともありました。清風カットは裾と耳元を刈り上げ、前髪は眉毛にかからない長さにするというものなのですが、月に1回の頭髪検査で前髪が長いとその場で教師に切られる、ということも平然と行われていたんです」(在阪社会部記者)