『アンチヒーロー』のインスタグラムより

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ユニークな設定とリアルな事件が重要

 圧倒的な1位は『リーガル・ハイ』。訴訟で一度も負けたことがない“人格破綻者”弁護士を堺雅人(50才)が演じている。1位に選出した木村さんは「ほかとは次元が違う」と絶賛する。

「キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的。弁護士ドラマの醍醐味はせりふですが、堺さんのハイテンションな超高速弁論はお見事。天才脚本家と称される古沢良太さんが、相続争いから公害などの社会問題まであらゆる“ネタ”を取り入れるのもおもしろさの秘密。主人公の口を借りて、最後に考えさせられるような結末が語られるのもエンタメとして最高です」

 同じく1位に投票した吉田さんが続ける。

「人権派や庶民派といった本来だったらドラマの主役になる弁護士たちの欺瞞を暴いて蹴散らすのも、見ていて気持ちがいいです」

 実際、強力なキャラクターがドラマにとって必要と話すのは、弁護士ドラマの法律監修をしている弁護士で、俳優の本村健太郎さん(57才)だ。

「個性的でユニークな弁護士や意外性がドラマの味付けになるので、最近は“金もうけ主義”“女癖が悪い”など弁護士のキャラ設定に工夫を凝らす傾向があります」

 ランキングでも堺雅人が「正義は金で買える!」と豪語する『リーガル・ハイ』をはじめ『弁護士のくず』など上位の作品は、いずれも主人公のキャラを理由に挙げる識者が多かった。キャラが立っている分、事件のリアルさが重要になると本村さんは続ける。

「よくできたドラマはきちんと法律監修がされており、現実に即しているためキャラクターや設定が突飛でもリアリティーを感じられます。視聴者が違和感なく物語に没入できるのも、リアルさの賜物です。

 ぼくが監修をする際は、弁護士としてかかわった事例をヒントにプライバシーや守秘義務に配慮してアドバイスをしています。心がけているのは実際に起こり得る要素を入れ込むことによって、ドラマの劇的な展開をよりリアルに見せられるようにすること。ユニークな設定を現実の法律にいかにしてはめ込むかが、腕の見せどころです」

 リアルなエンタメは弁護士ドラマにある。

※女性セブン2024年5月30日号

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