競争性のある種目は減少
「競争」自体は悪いものではない
コロナが明けてもその流れが続き、「戦う」「競争する」といったスタイルが減った要因になったようだ。
勝ち負けのない運動会について、教育評論家の石川幸夫氏は、「“競争”というものへの過剰反応を感じます」と指摘する。
「“他人を蹴落とす”のようなネガティブなイメージをセットで持っている人もいるのでしょうが、競争それ自体は、決して悪いものではありません。
競争は、子どものモチベーションを高めることにも繋がります。また、負けをきっかけに『じゃあ次はどうすればいいだろう?』と考えたり、自分の感情をコントロールする術を身につけることもできるでしょう。指導のやり方次第で、子どもたちにとって競争はいくらでも有意義な学びの場となります。競争というもの自体を頭ごなしに否定してしまうのは、もったいないのではないでしょうか」
運動会から競争性を廃する動きは、文部科学省が推し進めているものなのだろうか。同省に問い合わせたところ、以下のような回答だった。
「学習指導要領において、運動会は特別活動、その中でも“健康安全・体育的行事”に位置づけられており、心身の健全な発達や健康の保持増進、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵(かん)養、体力の向上といった狙いがあります。
そういった趣旨を踏まえた上で、実際の運動会の内容などは各学校の中で検討されています。文部科学省のほうで運動会から競争性を廃するような提言をしているわけではありません」(文部科学省の担当者)
子どもたちが心の底から楽しめ、成長にもつながるのが一番の形だ。
