スポーツ

巨人・浅野翔吾がシーズン終盤の覚醒、背景には心酔するイチローの教え 広澤克実氏は「大谷翔平と同じ打ち方」と絶賛、“夜遊びはしないタイプ”評も

急成長を見せる高卒2年目の浅野翔吾

急成長を見せる高卒2年目の浅野翔吾

 悲願のVに向け、セ・リーグの激しい優勝争いのなかにある巨人。そのチームの柱へと急成長を見せるのが高卒2年目の浅野翔吾(19)だ。シーズン終盤で覚醒した理由とは──。

 不動の3番だったエリエ・ヘルナンデス(29)の故障で8月12日に急遽一軍へ昇格した浅野は、2日後の阪神戦でスタメン起用されると、いきなりのグランドスラム。その後も快進撃が続き、8月は打率.348、3本塁打、11打点を記録した。月間3ホーマーは巨人の10代選手では王貞治、松井秀喜ら5人しか達成していない。しかも、浅野がホームランを打った試合は全勝だった。巨人番記者が語る。

「好調を維持していたヘルナンデスが骨折した時、阿部慎之助監督は冗談めかしながらも『俺の心も折れそう』と漏らしていたが、嬉しすぎる誤算でしょうね」

 高松商時代に通算68本塁打を放った浅野は2022年のドラフト1位で阪神と競合の末、巨人に入団。1年目の昨シーズンは、8月に王貞治以来64年ぶりとなる「高卒ルーキーの1番スタメン」で話題となったが、目を見張る成績は残せなかった。

 今季も開幕一軍入りこそ果たしたものの、3試合出場で10打席ノーヒットに終わり、4月8日に登録を抹消されていた。当時、巨人OBの広岡達朗氏は本誌『週刊ポスト』の取材に応じ、「阿部の間違いは3番に新人(浅野)を置いたこと。新人が3番を打つようでは、巨人は優勝できない」と酷評していた。

一発狙いをやめて一発が出る

 そこから覚醒した理由としては、あるレジェンドの存在が大きいようだ。前出の巨人番記者が言う。

「昨年、打撃コーチだったデーブ大久保さんから指導を受けた時は完全に受け流していて、デーブさんに『俺の言うことを聞かない』と言わしめた頑固者です。しかし、高松商2年の時に野球部にコーチに来たイチローさんには心酔していて、巨人でも背番号51を選んだ。今年もイチローさんに声をかけられて自主トレに参加し、逆方向への打ち方のアドバイスをもらったようです。今季の二軍生活ではとにかく逆方向の打球を意識したという。巨人のコーチよりもイチローさんの教えを頑なに守った成果が今の活躍ではないか」

 高校時代の浅野は、2022年の夏の甲子園でも3本のアーチをかけた世代屈指のスラッガーとして名を馳せた。だが、同年のドラフト時から「身長170センチ、体重86キロの小柄な体がプロではネックになると言われていた」(スポーツ紙デスク)という。辛口評論家・江本孟紀氏は、浅野が覚醒したのは「体格を自覚したことが大きい」と指摘する。

「浅野の背丈ではプロではホームランバッターになれないことを自ら悟り、一発狙いをやめたことが大正解でした。最近は徹底して右打ちをして、中距離バッターとしてヒットを量産する姿勢が目立ちます。自分のスタイルを変えられずプロで失敗する選手が多いなか、高卒2年目で自分の特徴に気づき、切り替えられた」

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト