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“裏金議員”の落とし方

【裏金問題に審判を下すための“落選運動”】前回総選挙の得票率などから算出した「批判を受ければ落選しやすい」候補リスト 丸川珠代氏、下村博文氏、平沢勝栄氏ら

「批判を受ければ落選しやすい」候補ランキング(1~25位)※表に挙げた候補は、自民党が裏金問題で非公認にした候補及び比例代表への重複立候補を認めなかった候補(*の上杉謙太郎氏は裏金問題で不記載があり、比例単独で出馬予定だったが辞退。無所属で小選挙区に出馬した)。閣僚、党執行部経験者のみ肩書きを記載した。得票差は当該候補が前回総選挙(2021年の衆院選)で獲得した票数から、同じ選挙区で出馬した他の候補の合計得票数を引いた数。区割り変更が行なわれた候補の得票率と得票差は、前回総選挙時の旧選挙区で計算。丸川珠代氏は鞍替え、加納陽之助氏は選挙区変更により、それぞれの選挙区から新しく出馬する候補であるため、名前だけの記載とした。元職として裏金問題の処分を受け、重複立候補が認められなかった中山泰秀氏はランキング外に記載。

「批判を受ければ落選しやすい」候補ランキング(1~25位)※表については文末の詳細も参照

 短期決戦の総選挙は、はや終盤に入った。最初のうちは“裏金議員”に対して厳しい姿勢を見せていた石破茂・首相も、結局非公認としたのは12人にとどまり、裏切られた気持ちを抱える有権者もいるのではないだろうか。そんな時に効果的なのが「落選運動」だ。

 有権者が他の有権者に呼びかけて、候補者を落選させる運動であり、原則的には公職選挙法の規制の対象外となる。選挙期間中には一部公選法の規制が適用されるが、合法的な行為であることは間違いない。第1回と第2回では、落選運動の注意点や効果的な実践方法を紹介したが、第3回では「落選させやすい“裏金議員”」について分析する。【全3回の第3回。第1回から読む

野党乱立の場合どうするか

 では、裏金候補のなかでどの候補が落選させやすいのか。

 本誌・週刊ポストは石破首相が非公認、あるいは重複立候補を認めなかった裏金候補のなかから、今回出馬する44人について、前回総選挙の得票率、本人の得票と対立候補たちの合計得票との票差を一覧表にまとめた。前回小選挙区で敗れた候補はもちろん、小選挙区で当選しても得票率が小さい議員は選挙が厳しい。票差がマイナスや、プラスでも数字が小さいほど「批判を受ければ落選しやすい」候補と見ることができる。

 しかも、リストの候補は全員、比例代表への重複立候補をしていないため、小選挙区で敗北すると、即落選となる。参院から東京7区に鞍替え出馬し、自民党が「首都決戦の目玉候補」と見ている丸川珠代・元五輪担当相も、裏金問題で比例重複が認められなかったことから、小選挙区の勝敗に政治生命がかかる。

 前回は大差で当選した前職も、自民党支持層を含めた有権者に厳しい目を向けられている。

 たとえば、前回次点に約3万5000票の差をつけた下村博文・元文科相、約6万7000票差の平沢勝栄・元復興相などは「選挙に強い」と言われる候補だが、対立候補全員の合計得票と比べると票差はほとんどない。

 前回、次点に10万票以上の圧倒的大差をつけて当選した萩生田光一・元自民党政調会長でさえ、対立候補全員の合計得票との差を見れば約4万票に縮まる。選挙に強い候補であっても、裏金批判の落選運動で大きく票を減らせば、落選する可能性は十分あるのだ。

 そうした状況のなかで気になるのは、今回の総選挙は野党乱立の選挙区が多いことだ。野党候補が乱立すると、裏金候補への批判票が多くてもその投票先が分散されて当選ラインが下がり、裏金候補たちにはプラスに働く。

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