国際情報

《早朝から中国人が長蛇の列》「外免切替」に利用される日本 運転免許試験場に並ぶ中国人「中国の免許はどこも使えない。お得だ。日本は優しい」

早朝からの長蛇の列ができるようになったため予約制となった警視庁府中運転免許試験場(写真提供/イメージマート)

早朝からの長蛇の列ができるようになったため予約制となった警視庁府中運転免許試験場(写真/イメージマート)

 外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切替えることを指す「外免切替」という耳慣れない言葉が、ネットで話題になっている。国際免許へ切り替えるため、運転免許試験場に早朝から列をつくる外国人の様子をテレビの情報番組が特集したためだ。日本で一から運転免許を取得するよりも、外国で免許を取得して日本で切り替えた方が簡単で安上がりということは以前から言われていて、海外滞在時に運転免許を取得し帰国後に切り替えるライフハックが一部の日本人の間でも活用されていた。それが今、訪日外国人に利用されている。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、外国人と日本の運転免許をめぐる混乱と現実についてレポートする。

 * * *
「日本で運転する免許が欲しいから並んでいる。みんなそうだ。わざわざこのために中国から来た人もいる」

 10月早朝、東京都府中市にある府中運転免許試験場に人の列が出来ていた。もう秋だというのに朝から蒸し暑い。列のほとんどは聞く限り中国人。一応、早朝からの並びは禁止となっているが誰も守ってはいない。

「簡単に日本の免許にできる。こんなにお得なこと、しない中国人はいない」

 日本語学校に通ったことがあるとのことで流暢に日本語を話す中国人。しかし彼以外、他の中国人は日本語がうまく話せない人も多いようだ。それでも日本で運転できる免許に切り替えができるとのこと。

「彼は民泊だよ」

 初めて日本に来たという中国人の若者を紹介してもらう。日本語はまったくできないので通訳してもらう。民泊だろうがホテル滞在だろうがそこを住所(一時帰国滞在証明)にすれば観光ビザでも外免切替は可能だ。

「日本の免許は世界中で使える。中国の免許はどこも使えない。お得だ。日本は優しい」

 試験場でも日本語が話せなくても通訳できる者が同伴すれば受け付けてもらえる。試験は東京都なら24言語の外国語に対応している(対応言語数は都道府県による)。つまり、日本語なんか読み書きできなくとも日本で運転できるようになる。

 それがたとえ、日本の運転免許制度に合致していない国の免許であったとしても。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン