立憲も野田vs枝野で分裂

 2007年には自公が参院過半数割れに追い込まれ、政権運営に苦慮するなかで、福田康夫首相と当時民主党代表だった小沢一郎氏の間で、大連立の成立寸前まで協議が進んだこともあった。民主党内の猛反発で実現には至らなかったが、その小沢氏が現在は立憲民主・野田代表の後ろ盾である。

 そして政治評論家の有馬晴海氏は“令和の大連立”に向けた動きをきっかけに立憲民主の党内に亀裂が走り、現在の政界の枠組みを大きく塗り替えるかたちの「保守勢力同士の連立」となる可能性を指摘する。

「総選挙で躍進した立憲民主党には民主党時代から続いている党内の左右対立がある。保守・中道の議員は自民党と連携できるはずですが、労組系の左派議員は自民党とは組めない。立憲丸ごとでは自公との連立には踏み込めない。成功するかは自民党側の仕掛け人次第ですが、自民党が分裂した場合はそれを契機に、立憲民主党も野田氏ら保守・中道系の議員と枝野幸男・元代表を中心とする左派リベラルの議員に割れる可能性が高い。そうすれば、自民と立憲民主の保守中道議員が本格的な保守勢力同士の連立に踏み込むことができるでしょう」

 自民党からは高市新党で右派の議員が分離して日本保守党など保守勢力が形成され、自民党の残った議員が立憲の保守・中道議員と合流する。そして立憲の左派グループは社民党やれいわ、共産党と左派ブロックを形成するという構図だ。維新をはじめとする他の野党も党内に亀裂がある。

 今回の総選挙は、そうした政界大再編という“本当の大嵐”の序章なのだ。

(了。第1回から読む

※週刊ポスト2024年11月8・15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン